
目黒線の洗足駅界隈。
身近なはずのご近所なのに、
意外とその様子を知らないのに気づく。
飲食店で思い出すのは、
環七沿いにあったらーめん「香蘭」やその後の「秀」。
町の純中国料理「知味観」に築地仲買系「尾利長」くらい。
偶には徘徊してみようかと途中下車して改札をでると、早速気になるファサードに出くわしました。
日本の伝統色でいえば、金茶か蜜柑色。
イタリアンならば、ソレント・ゴールドと呼ぶのでしょうか。
そんな鮮やかさが目を惹くエントランステントの主人がトラットリア「TORINO」だ。
どんな様子かなぁと覗き込むように近づくと、開いた扉の目の前が厨房になっている。
1階に客席はなく、階段から上へどうぞと招かれます。
姐さんに促されるまま、2階フロアの一席へ。
3階は、分煙となれば喫煙者フロアとなるようです。
ランチメニューは、A・B・C。

黒板が示すは、本日のパスタ3品にランチのメイン料理ひと品。
「あらびきミートソース」あたりからお願いしてみましょう。
前菜のプレートには、
サーモンのマリネやパテを載せたバゲットなど。


思わず、赤のグラスをと声を発しそうになるのが困ったところ(笑)。
フロア担当の姐さんは、階段を通じて階下の厨房とちょっと大声のコミュニケーション。
リフトに載せられ、パスタのお皿がやってきました。

うんうん、すんなり素直なラグーが誘う。

丁寧に和えた麺にほどよくソースが絡まり、安定感のある美味しさだ。
しとしと雨のお昼どきには、「魚介とプンタレッラ」を。
プンタレッラは、アスパラガス・チコリとも呼ばれるイタリアの春野菜。
魚介は、烏賊に海老に蛍烏賊に。


蛍烏賊の小さな腸の風味とプンタレッラの息吹。
全体をしっかり乳化したソースが包んでいます。
またまた別にお昼には、トマトソースのパスタ「ベーコンとオリーブ、菜の花」。

菜の花の仄かな苦味と輪切りオリーブの塩っぽさがアクセント。
水っぽくせずに纏める手腕は伊達じゃない、そんな気がいたします。

夜に訪れて、徳島産「魴鮄の香草焼き カポナータ添え」あたりで、
白のハウスワインをいただいた後には、
「ベビーラムのラグーとカヴァテッリ」。

カヴァテッリには、三本指でくるりと巻いたショートパスタ、と解説がある。
旨みじっくり柔らかなベビーラムのソースが、
耳たぶ的心地よい噛み応えのショートパスタに馴染んで、うんうん、旨いのだ。
ピエモンテ州の州都の名を冠したトラットリア「TORINO」。

訊けば、シェフのオヤジさんが同じ場所で40年くらいまえから洋食屋を営んでいて、
その時から既に店の名は、「トリノ」だったそう。
ところが息子であるシェフが修行した地もトリノ。
オヤジさんがどうして店の名を「トリノ」としたかは結局聞き損ねたそうだけど、
7年前にオヤジさんから引き継いだ店をイタリアンにした時に店の名を「TORINO」としたのは、至極当然のことなんだね。
「TORINO」
目黒区洗足2-25-20
[Map] 03-3788-7544
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