教会をあとにして、 夕闇迫るザルツブルク大聖堂(ドーム)を裏手から臨む。 ひと気の少ないドーム広場の中央では、マリア像が静かに佇んでいます。 噴水を脇を抜けるようにして、ちょっと妖しい路地へ向かいます。
実は昼間も徘徊した裏小路。 こんなところにビアバーがあるのだね、でも営業しているのかなぁと思ったそのお店に繰り出そうという魂胆なのです。夜ともなれば、一層怪しい石畳の道をゆっくりと往きます。
店の名を「St.PAUL STUB’N」。 ぎしぎし鳴りそうなやや暗がりの階段を上がると、 知らずに開けるのを少々躊躇わすような扉。 ええい!と開くと途端に店内の喧騒と熱気が溢れ出す。ひっそりとした裏路地にありながら、実は人気の店であることがよく判ります。
お尻や膝が痛くなりそうな(笑)、狭いカウンターになんとか捻り込みさせてもらい、 やっぱり勿論、まず麦酒。 ころんとしたフォルムのジョッキでやってきたのは、 「PUNTIGAMER(プンティガマー)」のDas “bierige” Bier。 グラーツに醸造所を持つ、オーストリアのメジャーのひとつ。 しっかりした味わいの中に爽やかなホップが利いています。
細切りクレープ frittatenを浮かべた牛のスープを横目に、 アスパラガスのクリームスープ Spargel-Cremesuppe。 シツコイかも~とツッコまれようとも(笑)、注文まずにはいられません。
そしてこれまた、やっぱり呑みたい白麦酒Weißbier!とグラスを所望します。素早く届いたグラスは、「WEIHENSTEPHANヴァイエンシュテファン」の。 ヴァイエンシュテファンは、ミュンヘンから空港への道程辺りにある、 世界最古といわれるビール醸造所。 酵母が醸すか、華やぐように甘い風味とコク味がゆるゆるとさせて、いいのだね。
Der Orignal Paul Stubn Salat と謳うメニューから、 揚げシャンピニオン「mit gebackenen Champignons」。細やかな衣に包まれた大振りのマッシュルームがごろごろとお皿を占めています。
やおら掴んで、タルタルソースをたっぷりつけて、かぷっと噛む。 キノコな汁がじゅわっと弾けて、旨みの湯気が口腔を満たして、はふはふと。 サンクト=ユリエン通りの「Steirische Weinstuben」のシャンピニオン・フライも絶品だけど、それに負けず劣らず旨いヤツだ。
電灯の傘越しに部屋の奥を見渡すと、その先への入口がある。 やっぱり賑わう部屋からさらに奥へと進むとそこは、岩盤を壁にしたテラス。 眼下には、綺麗に敷き詰められた裏道の様子が見下ろせる。 全体をテントで覆っていても、寒い夜にはさすがに数人がテーブルを使うほど。 暖かな頃には、ここが一番賑わうのでしょうね。
きっと地元の呑兵衛な連中はみんな知ってる隠れ家「St.PAUL STUB’N」。岩盤に沿った裏道にひっそりとある感じがとってもそそるのです。
口 関連記事: Gassenverkauf「Steirische Weinstuben」で シャンピニオンフライ(11年02月)
「St.PAUL STUB’N」 Herrengasse 16 Salzburg 5020 [Map] 066284 32 20
column/03187
随分とディープな場所にいらしたんですね~。近所にはザルツブルク最古の某所もあるという怪しい(?)通り(笑)、とても8世紀頃からの古い教会群の近くとは思えない立地です(苦笑)。
St. Paulは結構混んでいるので、なかなか入れない場所。上手く入れてラッキーでしたね。
マッシュルームの揚げ物、もう20年ほど前初めて食べた時は驚きました、ジューシーなマッシュルームが重要ですよね。似たものでエメンターラーチーズ揚げもありますが、単一の物では飽きてしまうので、この2つのハーフアンドハーフがあればと思いますが、まだ出会ったことはありません・・・。
こういう揚げ物にはパン粉はやはりセンメルのパン粉じゃないと合わないですよね?日本の食パンのパン粉だと、ごつごつし過ぎ???
Re:seppさま
seppさんにしてみても、ディープな場所ですか、やっぱりw。
ん?最古の某所って、あれかな(笑)。
おお、エメンタールのチーズ揚げもビールにめちゃ合いそう。
あの細かな衣のパン粉は、センメルというですか。
土地ならではの揚げ物でもあるのですね。