
界隈の客先に通わなくなって随分と久しい虎ノ門。
小料理屋「喜よし」や「虎ノ門砂場」、いまはなきカレーの「スマトラ」なんかを思い出す。
ひる時には、裏通りや路地のあちこちを徘徊したものだけど、様変わりしているのでしょうね。
久し振りに訪れた虎ノ門交差点に立つと、信号の向こうに赤い大きな文字がみえる。
レストラン「ケルン」は、変わらずそこにありました。
地下鉄の出口と交差点との間に虎の銅像を頂いた「虎ノ門遺趾」。

その虎が見守るような位置に「ケルン」の入口はあります。
壁のパネルには、「今が旬!カキフライ、限定40食」とある。
うん、うんと頷きながら、どこか懐かしい地下への階段を辿ります。
帳場の前を過ぎて眺めるフロアも嘗ての様子とどこも違わない、そんな印象がします。
1ピースでもいいですか?
そう訊いてお願いしたのは、的矢の生牡蠣。
身は薄めだけど活き活きとしてる殻の上の牡蠣の表情を凝視してから控えめに檸檬を搾って、いただきますっ!と口を窄めます。

おおお、旨い、おお。
仄かなミネラルの向こうに澄んだ澄んだ旨いが品よく弾けては潔くすっと消える。
殻牡蠣をあれこれ比べながらいただくのも愉しいけれど、こうして一点集中してちゅるんするのもひとつの醍醐味であるのだね。
そんな生牡蠣のお皿と入れ替わりに「カキフライ」のお皿がやってきた。

マカロニやコールスローと一緒に盛られた牡蠣フライはちびっこなヤツも入れての5つ盛り。
最終コーナーを廻った頃の牡蠣にしては細身かなぁと思いつつ齧りつくと、
見た目通りの量感のフライ。


加熱用の牡蠣はどこの牡蠣なのでしょう。
油の温度がやや高過ぎたのか、薄めの衣がガリガリとするところもあって、ちょと残念。
実直老舗な「ケルン」さんだもの、これからも頑張って欲しくって、
ここでは敢えてもうひと工夫をお願いしたい。
できればタルタルソースにも、もうひと手間掛けて欲しいなぁと、そう思います。
創業来50年を積み重ねた、虎ノ門を代表する洋食の店、レストラン「ケルン」。

まずはドイツの都市を思う店名「ケルン」だけど、
如何にもなドイツ料理は見当たらない「ケルン」のメニュー。
でもやっぱりケルンの地にちなんでの「ケルン」なのかな。
それとも、”真髄”とか”本質”とかを標榜しての「ケルン」なのかな。
「ケルン」
港区虎ノ門1-1-28 TOTOビルB1F
[Map] 03-3591-4158
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