高輪の病院で、指先からのオニヒトデ針除去手術。
トータル1.5時間に亘る手術でありました。
神経の集まる指先を切り裂く施術であったので、そこがうまいこと繋がってくれるか、気の長いリハビリが待っている。
経過を看てもらいに再び訪れた病院を後にして、そんなことを考えながら高輪台の交差点に佇みます。
と、以前から気になっていた居酒屋の手書き看板が目に留まる。
お邪魔するいい機会かもしれません。
ところは、最近分譲販売を開始して即完とも聞く駅直結のタワーマンションの真新しい景色とその横の旧態然とした家屋の並びが対照的な一角。
駅近にして隠れ家の如き立地だったお店が今は、図らずもお天道様の下に晒されてしまったかのようにも映ります。
開店早々ゆえ、一番の客となる。
その一番の客の足元へどこからともなく小さな犬がやってきて、すりすりとしてくる。
あ、女将さん、麦酒ください。
そうお願いしてから、お品書きを眺めます。
「べんちゃん人気メニュー」から、何故か妙に郷愁を誘う「赤ウインナ焼き」。
群馬直送とある「マイタケ天ぷら」もいただきましょう。
ウーロンハイを呑み干して女将さんから受け取ったのは、
「カキフライ」のお膳です。
たっぷりの豚汁とたっぷりのタルタルが嬉しい景色。
洋食のお店にしてタルタルを添えてくれない店は確かと見習うべし(笑)。
ただまぁ、ちょっと揚げ上げるタイミングを抜かったか、衣が硬くなっちゃってるのは減点対象。
「銀座 三州屋」のそれと比べてはいけません。
居酒屋「べんちゃん」は、ランチもやっている。
「鳥唐揚げ定食」「横浜シューマイ定食」に「さば焼き定食」などなど。
そんな中から選んだのは、「豚生姜焼き定食」です。
くるくる波打ってお皿から零れんばかりにしているタレ濃い味付けの豚バラ肉。
生姜の風味もしっかり利かせた体育会系居酒屋仕立てだ。
ご飯かっ込むことになっちゃうね(笑)。
目の前に28階建ての豪奢マンションが建とうが、それもどこ吹く風。
きっと今までのまま、路地奥の庶民の暖簾、居酒屋「べんちゃん」。
棚に並ぶ一升瓶が新潟地酒のラインナップやリゾートマンションを湯沢に持っているよという貼り紙から、どうやらべんちゃんは、新潟に縁のある方らしい。
厨房に覗くオッちゃんが、”べんちゃん”、なのかな。
「べんちゃん」
港区高輪3-10-36
[Map] 03-3440-2241
column/03101