column/01838
ラーメン「大一」
呑んだ翌日の汁物モードを抱えたまま、もんぜき通りに差し掛かりました。いつも並びの「井上」の行列とは対照的に客の姿を見るのが稀な「大一」の2つの丸椅子が両方とも埋まっているのを目に留めて、そう云えばここのラーメン食べたことないや、と気がついた。早速、「ラーメン」を、と声をかけました。煮玉子の入っている写真を見つけて、「煮玉子も入れてね」と追いかけると、「大丈夫、入ってるから!」とのいう。路上の立ち食い用テーブルの脇で待っていると、「井上」の客がとんぶりを持って遠征してきた。そっちが混んでるのは分かるけど、それはマズイんでないのと思っていたら、さすがに「お客さん、そこは違うよ!」と声が飛んでくる。そのオッサンは「別にいいじゃんか」という顔をしながらすごすごと戻っていった。やれやれ。そして「お待ちどうさま!」とお呼びがかかる。出来上がったどんぶりの姿を見る限りは、極々普通の屋台系のラーメンだ。化学調味料が強く刺してくることはないものの、スープの味も麺の食感も屋台系東京ラーメンだね。一方アミノ酸の粒子をも感じさえる「井上」だけど、どっちが好きかを訊かれればマジョリティな「井上」と応えることになりそうだ。そういえば、以前は街角でよく見掛けた屋台のラーメン店。今はどのあたりに棲息しているんだろう。警察がさらに五月蝿くなって商売やりにくくなってるだろうことは容易に想像できるものな。ところで、「大一」の店の場所には、以前他のお店があったような気がしているのだけれど、う~ん、思い出せません。
「大一」 中央区築地4-9-16 090-8870-2953