あろうことか気がつけば二年振りとなってしまった、代々木上原。
東口へと抜ける通路は、いまだに降りたシャッターが多いのねンと思いながら、駅前商店街の通りへ。
前回は遠回りしちゃったんだよなぁと呟きつつ、裏手の住宅街へと抜けて行く。
記憶の中の光景を辿りながら、
確かこの辺りの右側にと立ち止まったところが「エンボカ」の前でした。
意外と覚えているものです(笑)。
ちょっと懐かしいコンクリート打ちっぱなしの内観。
そこのテーブルに少々お待たせしちゃったのは、
ご一緒にとお声掛けした
ヒロキエさん。
こちらの定番ベルギービールを手に乾杯します。
グラスの中身は、
「グリセット ブランジェ」というホワイトビールの樽生だ。
「エンボカ」は薪窯を生かしたピザの店ではあるのだけれど、
そのピザ窯で焼いた旬の野菜も魅力のひとつ。
「そら豆」「新玉ねぎ」「皮付きヤングコーン」「枝付き枝豆」などとある旬野菜のラインナップから、ちょっと面白そうな「竹の子」を選んでみました。
長角皿に載ってやってきたのは、ずんぐりした所謂竹の子とは別のもの。
ホールのおねえさんは、「姫竹」と呼ばれる竹の子だと説明してくれたけど、
これはつまりは青森でいうところの「ネマガリダケ」だよね、takapu?
焦げていて硬いひと廻りを外して、中の柔らかめのところをいただきます。
ふむふむ。
それってどんなだろ?と想像を巡らしつつお迎えした「ズッキーニそうめん」の器には、想像以上にカラフルに涼しげな湖面。
そうか、そうだ、黄色いズッキーニもあるンだもんねと、氷と一緒に浮かぶ素麺状を掬い上げて、用意されたツユに浸す。
如何にもそうめんぽく啜るってー訳にはいかないけど、しゃきしゃきとした野菜をちゅちゅちゅといただく不思議な口触りが面白い。
ツユには柚子がばっちり利いてるね。
さてさて、前回の「エンボカ」のピザで一番印象深かったのは、野沢菜のピザ。
今宵もやっぱりいただいてしまいます。
ハーフ&ハーフの相方は、大葉に務めていただきましょう。
野沢菜漬に胡麻豆腐を含めた胡麻の風味たっぷりの胡麻ソースが、
妙妙にして乙な取り合わせだと改めて思わせる。
ツブ粒で表情を添えているのは、荏胡麻の実らしい。
ふっくらもっちりしたコルチョーネも「エンボカ」らしい縁取りだ。
大葉サイドは、大葉の苦みがちょっと大人の装い。
モッツアレラのコクがその苦みを包み込んで、これまた乙な仕立てになってます。
んん?生ハムのにぎり寿司とな?
ということでお願いしたお皿には、薄くスライスしたパルマの生ハムで全身を覆った赤い稲荷寿司的物体が鎮座。
えい!とばかりに齧りつけば、バルサミコちっくな風味に柚子胡椒のキレと生ハムのやや塩っけが折り重なって、摩訶不思議な食べ口だ。
「エンボカ」ではやっぱり、デザートピザもいただかねばなりません。
前回の「いちご」も印象的でしたが、時季の違う今回選んだのは、
「イチジク」に「ブルーベリー」。
火が入ってちょっととろんとしたイチジクのあっさりとした甘さと生地の相性が乙ならば、香気濃密に紅い滴を洩らすブルーベリーにはそっと支えて脇役に徹する生地もまたニクい。
薪窯で焼くピザと旬菜、
そして生樽ベルギービールが人気の「en boca(エンボカ)」東京。
軽井沢で出逢ってからもう5年も経ってしまったのかとちょっと遠い目。
久し振りに軽井沢にも行きたくなっちゃったな。
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「en boca」東京
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