
大阪高裁もほど近い西天満の一角。
通りすがりにみた「せいろ蒸し料理」というフレーズに惹かれて暖簾に向き合います。
きっとカウンターだけのお店だろうことが窺えるコンパクトな間口。
その幕板に立て掛けた一枚板には、「三色せいろ」云々といった文字が並んでいます。
ずずずいっとカウンターの奥へと廻り込んで、厨房を横から眺めるポジションへ。
厨房の真ん中にデンとあるのは、布巾を横へ垂らして湯気を上げる蒸籠の親分。

その前には、枡状の蒸籠の子分が10段にまで積み上げられています。
「三色せいろ」は三色といいながら、四色にも映る。

それは、対角に並んだあさり、鮭、鶏そぼろの両脇を錦糸玉子が飾っているから。
そのまんま杓文字で掬って、フーフーして、ハフホフとすると、
じわんじわんと滋味が沁みてくる。



脂っけの甘さとはベクトルの真逆な、ホクホクしながらしっかりした味わいがいい。
その2ヶ月後に再訪する機会に恵まれました。
今度は、「きざみ焼き穴子せいろ蒸し」。

一見、刻んだ竹輪がわらわらと盛られているようにもみえる、長方形の蒸籠。
それは、たっぷりとした量感が嬉しい穴子の身たち。

ふっくらとした食感でなく、ぐっと締まった身質の焼き穴子は、一片一片がホレホレと実直な旨みを主張してくる。
タレの味の濃さみたいなところは、その下のご飯に仕込んであるんだ。
胃の腑がホカホカとして、額に汗が滲んできて、身体全体が温まっているのが判る。
寒空の冬場にはもってこいだよね。
お昼どきにはせいろ蒸しご飯があれこれいただける、せいろ蒸し料理「三原」。

お品書きにはこれら以外に、「すき焼き」「牛肉そぼろ」。
Gingerちゃんには、「豚ロース生姜」のせいろ蒸しをリコメンド。
鹿児島霧島産の鰻を使った「鰻せいろ蒸し」はまたの宿題だ。
「三原」 大阪市北区西天満4-10-24 不動ビル1F
[Map] 06-6364-4970
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