column/02821 @2,100-
築地虎杖「魚河岸千両」で 元祖海鮮ひつまぶし二膳目がいい
久し振りのもんぜき通り。
観光地化に拍車が掛かった気がするなぁと思いながら、なかなか進まない雑踏をにじり進む。
「虎杖」の本店の前を抜けて、一本奥の西通りへ。
同じ「虎杖」の「魚河岸千両」とはどこかいなと探すと、
鯣や煮干しなんかの乾物を広げたお店の脇に提灯が見つかる。
その奥が、「魚河岸千両」だ。
テーブルについて、品書きを受け取る。
カウンターに並ぶお客さんたちの様子はやっぱり、観光地チック。
「店長のおまかせにぎり」にしちゃおうかなぁの気分でもあるし、まぐろ系のドンブリものでもいいような気がする。
いっそ、今やすっかりメジャーになっちゃった「元祖海鮮ひつまぶし」をオサエておく手もあるかもなどと悩む。
そこへ連れの素直なひと声、「ひつまぶしで!」。
うん、同調しちゃいましょう。
おねえさんのご指南に従って、小皿に醤油を注ぎ、そこへ練り山葵を溶いておく。
間を置かず届く、小さめの湯桶的お櫃。鮪の赤身や白身魚、蛸や小さな蒲焼、そしてイクラに雲丹が載って煌びやか。
万能葱や玉子焼きあたりでさらに彩りを添えちゃってもいいところを、12種類だという魚介だけでトッピングしているところが「虎杖」の心意気か。
「廻りにお醤油かけて、雲丹を避けて半分くらいを茶碗にとって一膳目にしてください、ね」。
ニッコリされて、ニッコリ頷く(笑)。食べ難さからちらしはあんまり好みじゃないけれど、こうして掻き込むようにできるのは悪くないねー。
二膳目は、小皿の甘煮三種を投入してから、避けていた雲丹を潰すように塗し和えるように掻き混ぜます。雲丹の風味がご飯全体に馴染んで、あれこれ考えずに素直にうまいうまいと再び掻き込んじゃうのが幸せなのだと達観してみる。
「三膳目のために、ふた口くらい残しておいてくださいねー」との指令により、お櫃に残していたところを綺麗に茶碗に移したところで、ポットからそば屋によくみる湯桶に出汁を注いで、そこから茶碗に注いでくれる。んー、肝心の出汁が冷め気味だわ、ダシが弱いわで、〆るところがやや残念か。
顔を見合わせて、「二膳目がやっぱりいいねー」ということになる。
オペレーション上の難しさはあるのだろうと思うけど、是非びしっとした出汁で完食できるようにして欲しいなぁ。
虎杖村?とも思っちゃう築地西通りの一辺にある「魚河岸千両」。次回のターゲットは、「大とろと大とろ炙りの二種丼」や「贅沢まぐろ丼」あたりかな。
「魚河岸千両」 中央区築地4丁目10-14 樋泉ビル1F [Map] 03-5565-5739 http://www.itadori.co.jp/