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もつ焼煮込み「大統領」で 特製煮込み味付けガツもつ焼き路上
かつて、ガード下の中華「珍珍軒」で「レバタン」を食べ終えたところで目にした光景が、ずっと気になっていました。
真っ昼間からビール、日本酒、ホッピーを呑み交わし、
だはは~と明け透けな笑顔をみせているオッチャンたちが肩寄せ合っている店がある。
狭い間口から路上にまで溢れたパイプ椅子。
見上げた看板には、もつ焼煮込み「大統領」。
ガード下のやや暗がりが、昼から既に夕方な気分を増長してくれていました。ところが何度足を運んでも、いつも満席の人気振り。
この夜も案の上、寸分の隙間もない感じ。
残念な気持ちを抱えたまま、ふと「珍珍軒」の先をみると、そこにも「大統領」の看板がある。
あれあれ?と近づくと、支店と表記されていました。
そうか、人気に対応すべく別棟を用意してくれていたのですね。
さらにところが、その支店さえも満席だという。
うーんと唸って、界隈を彷徨い歩く(笑)。
ぐるっと巡って、試しにもう一回席の状況を覗くと、「3人?ちょっと待ってて!」と声が掛かりました。
これもタイミングだよなぁとしばし待って、路上の隅のテーブルへ。
ジョッキを手に、品書きの上で目線をきょろきょろ。
まずは、看板メニューのひとつであろう「大統領特製煮込み」。品書きの説明書きにもあるようにあっさりとした仕立てで、意外や馬のモツを使っているらしい。
正直なところでは、もっともっとコッテリしているのが気分なんだけどね。
千切りしたガツを胡麻風味のタレにからめた「味つけガツ」やコリコリ食感を辛味で包んだ「ふぐ皮キムチ」が届いたところで早速、黒ホッピーに切り替える。
定番的にイケるのじゃないのぉと思ったのは、「豚タンスモーク」。
ほんのりした薫香がいいのだぞ。
やっぱりもう一方の看板メニュー「もつ焼き(豚)」から、タン、ハツ、レバー、シロ、カシラ。話し込んでちょっと油断すると、折角の熱々がすぐに冷めてしまって硬くなり、申し訳ない感じ。
この辺りの焼きモノとなるとやっぱり、ひと串ひと串焼き台の前でいただきたいね。
牛モノはどうよと「牛ハラミ焼き」に「ギアラ塩焼き」。ギアラの食感とハラミとは路線の違う旨味が印象深い。
ちょっと慌てて食べるくらいが、これら焼きモノを口にする際の要領だと今更ながら痛感します。
すっかり陽が落ちてからもなお、線路と線路の間の淀んだ空気の路地に空席を待つひと影が並ぶ「大統領」前。支店には、ガード下の店ながら二階フロアもあって、実はそこそこのキャパがある。
夏の炎天下には空調が効いているであろう二階席も選択肢かもしれないけれど、やっぱり路上の開放感が「大統領」の醍醐味なのじゃないかな。
今度こそ、本丸の呑兵衛の輪に加わりたいものです。
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「大統領」 台東区上野6-10-14 [Map] 03-3832-5622