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ふと振り返ると、「福笑」を満喫したのは彼是1年半以上も前のこと。
その後、「お客さんと会話ができなくなったから」として「福笑」階下に「福皆来」というさらに隠れ家なお店を開いたと訊いて、ずっと気になっていました。
恵比寿ロータリーに降り立ってから、「福笑」に連絡。
「1階の方へ今から行きたいのですが…」。
なんとか無事、席を得られました。
初めてなのでどうやってお店に入るかも訊いておかねば。
はいはい、あ、分かりました。
まさに、訊いとかないと入れません。
店内は、「福笑」のような縦方向の開放感はないものの、それ故さらにしっぽりと濃密な隠れ家オーラを持った空間となっていました。
右手のカウンターへ。
口を湿らすビールで、クラッシュアイスにのった「おいしいトマト」の甘さを楽しみ、30cmはあろうかというなんとも立派なアスパラガスを齧る。
根元の太いところもしゃっくりとした歯ざわりで筋っぽさはまるでない。
もろみ味噌とマヨネーズとを混ぜたものをたっぷりとつけて齧るのです。
ビールに替えて焼酎をというところで、お、「十四代 秘蔵」があるね。
銘酒「十四代」の蔵元高木酒造による純米焼酎だ。
芳醇な香りをたてながら角のない丸い味わいで、すいすいと呑めてしまって、こいつぁヤバイ。
鮮度抜群の「白子ぽんず」、綺麗にさしの入ったトロのような「極上いわし」、
![fukumirai04.jpg](https://ishouari.com/assets_c/2009/09/fukumirai04-thumb-245x183-12331.jpg)
![fukumirai06.jpg](https://ishouari.com/assets_c/2009/09/fukumirai06-thumb-245x183-12334.jpg)
「近藤」のそれを連想させるような金時の天麩羅「ごろうじま芋天ぷら」、ふんわり「山芋のいそべ揚げ」などなど珠玉のラインナップ。
「福笑」と同じく巻紙仕様のお品書きには、それらなんとも魅惑的な品々が居並んでいるのでした。
![fukumirai07.jpg](https://ishouari.com/assets_c/2009/09/fukumirai07-thumb-66x49-12337.jpg)
大将の福迫氏がふくよかな笑顔で現れて会話を交わす頃には、最後にと呑み始めたシェリーのような「十四代 蘭引酒」にやられてすっかり酔いが回ってきた。
酒肴、酒、雰囲気を纏めて、口福でありました。
「福皆来」 渋谷区恵比寿南1-9-4 長谷川ビル
[Map] 03-3713-5461(福笑)
column/01413
お店が供する馳走に籠めた創意工夫、店の名の由来やそのデザインを「意匠」と捉えて探訪を続けています。