風俗店と飲食店とラブホテルが渾然となる街、
曽根崎~兎我野町。
そんな界隈の一角で、暗がりに浮かぶ垂れ幕に躍る文字を見つけました。
“おやじは毎朝新鮮で活の良いうまい魚を仕入れることに命をかけるお客様のおいしい笑顔がおやじの生きがい”。
実直なメッセージを衒いなく掲げる気風は悪くない。
ちょっと寄ってみましょうか。
ハマチの頭や河豚の並ぶ硝子ケースを目の前にするカウンター席へ。
麦酒を少々いただいて、熱燗へと切り替えます。
酒肴はと云えば、まず腹トロを含む「天然ぶりの造り」。
「あん肝ぽん酢」
あたりでお銚子のピッチを上げつつ迎えるは、
「まぐろホホ肉ステーキ」。
ゴハンにのっけちゃいたい気にもなる濃いめの味付けに、齧れば直球のエキスが滴って、ぺろっと食べ終える。
お品書きに見慣れないフレーズを見つけてお願いしたのが「かますご炙り」。
カマスの子供と云われればそのようにも見えるけど、つまりは大振りの「いかなご」をそう呼ぶらしい。一夜干し的半生な食べ口がいい。ふうん、これもお銚子に合うでないの、ね。
「太刀魚の塩焼き」で、熱燗もういっちょ!
ああ、また今夜も呑んでしまいましたとさ(笑)。
「吉在門」の毎月更新するらしき品書きは、魚介を中心としたあれこれ迷わすラインナップ。
魚の仕入れに命をかけて、と掲げる気持ちの一端は垣間見れたかもしれません。
「吉在門」曽根崎本店 大阪市北区曽根崎1-7-2 06-6315-6627
http://www.kichizaimon.com/
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