![taiho.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho.jpg)
ゆるゆるとした気分で雨上がりの先斗町を歩く。
ふと覗き込んだ細い路地の奥に、
黄色地に「大豊」という文字を標す看板が小さくみえた。
折角ちょっとはんなりした心持ちなのに、ラーメン喰っちゃうのかオマエ?と自問自答しながら、足は既にその路地へと勇み歩んでいるでないの。
困ったもんだ(笑)。
店前の看板を改めてみるとそこには、“黒豚チャーシュー専門店”とあって、
ラーメン店というよりはチャーシューがメインのお店なの?なんて疑念が沸いてきました。
![taiho02.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho02-thumb-66x49.jpg)
先客はおひとりのみ。
腰をおろしたカウンターは表面の塗装がすっかり剥げている。ここに一体何杯のどんぶりが載せられてきたのでしょう。
べたべた貼紙がされた壁のメニュー
![taiho03.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho03-thumb-20x15.jpg)
。
「ミニラーメン」500円あたりですっとイクのもいいかと思うものの、“黒豚チャーシュー専門店”とあっては、「特製チャーシューメン」が気にならないワケがありません。
![taiho04.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho04-thumb-66x49.jpg)
届けられた一杯は、どんぶりの周囲をぐるりと覆いつくす焼き豚が花弁を思わせ、中央にたっぷり盛られた刻み葱とで作る象形は、まるで熱帯のグロテスクな花のようであります(笑)。
![taiho05.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho05.jpg)
そういえばかつて、「エリマキラーメン」ってのもあったなぁとそんなことを思いながら、スープを啜る。
味の強さが複雑なクドさにも思えるのは、やっぱり脂が強いからなのかもしれません。
見た目しっかりのチャーシューは、噛めばふにふにっと蕩ける仕立て。刻み葱と合わせ食べるのがよろしいようで。
京都定番系の細麺はむにっとした食感も残すタイプで、どんぶり全体の印象は、やっぱりこってりと力強い。
![taiho06.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho06-thumb-245x183.jpg)
![taiho07.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho07-thumb-245x183.jpg)
うん、そうだね。
京風らーめん、なんていうとあっさりした醤油ラーメンを想像しちゃうかもしれないけど、
どっこい京都のラーメンはガツンと力強いのだ。
![taiho01.jpg](https://ishouari.com/080203/taiho01.jpg)
「大豊ラーメン」木屋町 京都市中京区木屋町通四条上ル下樵木町191-11 075-251-6784
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お店が供する馳走に籠めた創意工夫、店の名の由来やそのデザインを「意匠」と捉えて探訪を続けています。