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浅草の有名とんかつ店の一軒でランチ。通りの賑わいから距離を置く、落ち着いた路地に佇む「ゆたか」
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です。二組の先客。簾越しに夏の日差しを見通す店内
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は、ゆっくりと時間が流れているかのようだ。”定食”と書かれたメニューはふた品。どちらかと云えば「ロース」が好みですが、うん、「ひれかつ定食」にしてみましょう。大ぶりな牡蠣フライがきちゃったかと一瞬愕いたのは、ころんとしたカツの様子
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から。卓上の塩をお皿の隅にぱらぱらとし、ちょっぴりお茶で湿らせたところをカツの一片で押さえて口へ。さくむにゅっ。あらま、肉厚なのに随分と柔らかく噛めてしまった。その呆気なさに、なにもこんな柔らかくなくてもいいのになぁと思うと同時に、品のある脂と旨味がふっと広がっては消えていく
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。うむうむ、ご飯がススム。ウスターソースや醤油も試してみたけれど、これが一番判るのはやっぱり塩で、ですな。ただしトータルな食後感は、どこか町場の食堂的。衣の揚げ口に特筆する老舗らしさがある訳ではなく、ご飯が柔過ぎたり赤だしに出汁が足りなかったりを考慮すると、もう少しリーズナブルな庶民派値段でもいいのかもしれません。
「ゆたか」
台東区浅草1-15-9 [Map] 03-3841-7433
column/02215
お店が供する馳走に籠めた創意工夫、店の名の由来やそのデザインを「意匠」と捉えて探訪を続けています。