![hokocho.jpg](https://ishouari.com/070208/hokocho.jpg)
恵比寿神社近くにある「凹町」で夕食を。繊細な格子戸から覗く店内は、白木の風合いが全体を包むようにして、そしてほんわりと京町家のイメージを醸しています。奥へと伸びるカウンターの一番手前へ案内されました。奥には個室も設えてあるようです。食前酒にと切子のグラスに注がれた梅酒
![](https://ishouari.com/070208/hokocho01-thumb.jpg)
。ふた口三くちほどのお茶漬け
![](https://ishouari.com/070208/hokocho02-thumb.jpg)
に続いて、春らしい梅の小枝をあしらった八寸がやってきます。お雛さまを念頭に魚のすり身を三色の菱餅風に仕立てたり、苦味がオトナな蕗の薹の天麩羅、そして白魚と春の息吹を感じさせるプレート
![](https://ishouari.com/070208/hokocho03-thumb.jpg)
になっている。続く椀ものはというと、すっぽんのひろうす
![](https://ishouari.com/070208/hokocho04-thumb.jpg)
。すっぽんの身の織り込まれた飛龍頭も然ることながら、敷かれたお出汁から広がる深い滋味が堪らんね~。ほっこりした気持ちになったところへ、帆立、笹鰈などのお造り
![](https://ishouari.com/070208/hokocho05-thumb.jpg)
に、小鯛の笹づけ手毬寿司などの載った平皿
![](https://ishouari.com/070208/hokocho06-thumb.jpg)
。そして、このこ(=海鼠の卵巣)などを添えて、味噌柚庵焼きの牡蠣、炙ったいかなごが松葉に載って
![](https://ishouari.com/070208/hokocho07-thumb.jpg)
届きます。旨味を閉じ込めるように柔らかく焼いた牡蠣が、旨い。すっかりお酒の気分になって、おススメの純米吟醸「醴泉」をいただく。華やぐような円さの中にきりっとした芯がある、佳い酒だ。たら、白子、聖護院大根のお椀
![](https://ishouari.com/070208/hokocho08-thumb.jpg)
でさらに温まり、そして土鍋の出番となります。土鍋で炊いた「はえぬき」の、炊き上がった直後
![](https://ishouari.com/070208/hokocho09-thumb.jpg)
、ほどよく蒸らした時点
![](https://ishouari.com/070208/hokocho10-thumb.jpg)
、そしておこげを交えて
![](https://ishouari.com/070208/hokocho11-thumb.jpg)
、さらには番茶に浸して
![](https://ishouari.com/070208/hokocho12-thumb.jpg)
とご飯の色々な表情を楽しませてくれるんだ。〆には、京人参のムースをはじめとした水菓子
![](https://ishouari.com/070208/hokocho13-thumb.jpg)
に続いて、若き黒岩氏の手作りだという和菓子がいただける。金箔を頂き白いんげん風味がそのままに伝わるもの
![](https://ishouari.com/070208/hokocho14-thumb.jpg)
や黒蜜あんのお団子
![](https://ishouari.com/070208/hokocho15-thumb.jpg)
に、入口すぐに据えられた茶釜のお湯で立てた抹茶
![](https://ishouari.com/070208/hokocho16-thumb.
jpg)
が添えられる。あ、入口脇の小窓も凹型
![](https://ishouari.com/070208/hokocho17-thumb.jpg)
なンだね。訊けば、京都の木屋町あたりのイメージと重なったこともあってこの場所を選んだそうだ。路地の奥の情緒や包み込む様な居心地の佳さなんかを“凹”に籠めているのだと云う。はんなりとした気持ちにさせてくれるお店が、身近な恵比寿にできました。
「凹町hokocho」 渋谷区恵比寿西1-9-4 03-5728-7655
column/02119