column/01862
九州らあめん「いち」で いちらあめんとお疲れのおばちゃん
甲州街道から芦花公園駅方向へと分け入ると途端に静かな街並みになる。
駅前周辺も寂しいくらいに静かだ。
そんな通りの一角にあるのが「いち」です。
アルミのガラス戸をガラガラっと開けてカウンターがL字に巡る店内へ。
「………」。
「いらっしゃい!」ではないらしい…。
ぽつんとひとつ空いていた丸椅子へ収まってみます。おばちゃんはせっせせっせと厨房の中を動き回っている。ん~、せわしそうだ。
「お願いしま~す」。やっとコッチを見てくれました。
「いちらあめん、にねぎ、たまご、のりでお願いします」。
すると「あ~、ねぎ終わっちゃったのよ~」とおばちゃん。
「あ、じゃ、いいです」。
なきゃ仕方ないもんねと思いながらふと厨房の真中に目をやると…、あるじゃん、ねぎ。
しかも長ねぎと万能ねぎがオソロイで。
つまり、切ったねぎ、はないってこと?ううむ。ま、いっか。
お湯を回して温めたドンブリに白い粉をいれ、柄杓でスープを注ぐ。
麺揚げに麺を解して入れてしばらく…、って、え、ほんの10秒にも満たないうちに湯切りしているぞ。
いくら細麺とはいえ、所謂”粉おとし”とか”はりがね”的湯掻きなんじゃないかとぼんやり考えているところへドンブリが届きました。
あれ?のり、入ってない。うう、ま、いっか。
どうやらおばちゃん、今日一日目の回るような忙しさだったらしい。
チョー地元密着のお店らしく、来る客来る客が色んな世間話をしてきてそんな応対だけでも大変らしい。
客としてやってきた近所のオバチャンは、「手伝ってあげるわよ、洗い物しかできないけど」と云って厨房に入り込んで早速ドンブリなんかを洗い始めたりしている。みんな常連さんなんだね~。
で、肝心のらあめん。
一見濃厚に思えますが、ほどよくサラリとしていてかつコクは充分。博多中洲は春吉橋のたもとの屋台で食べたような、ちょっと油断すると脂の膜が厚く張るようなことはないです。
短い湯掻きの麺もいい具合の固さ。
おばちゃん旨いじゃんということで、替玉をお願いする。
が、しばらく別のことをしているおばちゃん。
あれ?忘れてる?あ、気がついた気がついた。良かった~(笑)。
お疲れなんですね。ほどほどに頑張ってくださいね。
「いち」 世田谷区南烏山3-24-7