
ロータリーが整備されて久しい北口に対して、未開なままの印象の強い南口。さらにひっそりとした路地へと折れ入ると、その先に数人の人だかりがある。麺家「宝」の空席待ちです。待つ間にも時折強い鰹の香りが鼻を擽ってくる。もう既に準備万端だぞ(笑)。待ちわびて、導かれてカウンターの左隅へ。「らーめん」に、折角なので全部入りトッピングの「お宝」のせ

をお願いします。トロンと濃厚で味噌を溶いたかのような茶褐色のスープにこれでもかとばかりに魚粉を振りかけてある。そのガツン系スープが中太麺によく絡んで、なかなかいい。豚骨ベースであっても脂のクドサが突出してこないんだ。若干のベトつきが気になるものの、上手に乳化させているのかもしれない。ぷにっと柔らかい煮玉子の黄身は驚くほど鮮やかな橙だ。洗練された印象の「斑鳩」「俺の空」に比べて、実直で骨太な印象が残る。「つけめん」も試してみる価値はありそうだ。
「麺家 宝」 西東京市南町4-3-9 042-386-5355
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