タクシー事情の良くない鎌倉駅の東口から鎌倉宮行きのバスに乗る。
段葛に沿って八幡宮に向かって走るバスは、三の鳥居で右折し、横大路へ入る。
クランクするように金沢街道を辿り、その先のY字がその名も岐れ路。
岐れ路を左手に進んだバスはそのまま直進して、鎌倉宮一の大鳥居へと到着します。
終点鎌倉宮一でバスを降り、
そこからは水路を左手に見乍ら徒歩で往く。
永福寺舊蹟碑を横目にしつつ進み、
通玄橋という小さな橋を渡る。
右手の断崖には様々な色合いの紫陽花が咲き乱れていて、
これもまた鎌倉らしい景色かもしれないと立ち止まる。
瑞泉寺の総門の脇をゆっくりと歩き抜けて、
その先は瑞泉寺へと至る手前を右折れすると、
笹薮の隅に小さな案内表示がある。
道ともつかないその場所が、
天園ハイキングコース瑞泉寺口だと知って、なかなかに驚く。
そこから少し進んだ右手がこの日の目的地だ。
軽井沢の別荘地に紛れ込んだかのような錯覚の中、
ブルーグレーの家屋の中にいた。
白い壁を基調とした店内は天井を高く設え、
避暑地にいるような錯覚がそのまま継続したりする。
季節柄か、真っ白な紫陽花が活けられていました。
白皿を黒い陶器の上に伏せたような不思議な器に盛られた、
前菜のいろいろ色取り取り。
とんぶりを浮かべた硝子の小鉢やお浸しなどなど。
そして、お造りのお皿が続きます。
お酒は、鹿児島は祁答院蒸溜所の芋焼酎「野海棠(のかいどう)」。
温泉水で前割りし、黒じょかに収めた野海棠は、
切子のグラスでいただきましょう。
さてさて、ご本尊の「ひな鶏の素揚げ」がやってきた。
見た目から麗しく、端正ささえ思わせるひな鶏の佇まい。
皮目の芳ばしさにしっとりとした旨味の身肉が交叉して、旨い。
そして、実に軽やかだ。
続いて登場は、予約の際に追加をお願いしていた「砂肝素揚げ」。 歯触りや心地よく、砂肝の澄んだ滋味が噛む程に弾ける。
そして、この日のもうひとつのご本尊が「軍鶏鍋」だ。
濁りなく炊かれたひな鶏のスープ。
そのスープが滲み入って鶏つみれの旨味を倍化する。
ホフハフホフ。
身肉も素揚げとはまた違う、
よりさっぱりとした美味しさを伝えてきます。
このスープには中華麺もきっと合うだろなー、
そう思いつつの、〆雑炊。
あおさ海苔も効果を発揮して、
なんだかもう、当然の美味しさ。
あっという間にペロッと平らげてしまいました(^^)。
鎌倉郊外の瑞泉寺辺り、
天園ハイキングコース入口近くに、
国産ひな鶏の素揚げ軍鶏鍋の店「KOYAMA」はある。
伺った二度とも何故か、ちょうど紫陽花の頃。
鎌倉の紫陽花を思い浮かべる度に、
この店のこともきっと思い出すことでしょう。
「KOYAMA」
神奈川県鎌倉市二階堂728-20 [Map] 0467-95-3533
https://koyamasuage.com/