ふらふらっと散策するように茅場町の裏通りを歩いていたこの春のこと。
何度かお邪魔したことのあるビストロ「DU MOULIN」の向かいに新しい店が現れているのに出会しました。
田口ビルという雑居ビルの一階を和の色に整え、
突出しの看板も掲げて秘めたやる気が滲んでくる。店先のお品書きを眺めては、
近々足を向けようと思ったのでありました。
満腹のお腹を擦りながら、ね(笑)。
初めてお邪魔したのは黄金週間の休み明けのこと。厨房を囲んでL字に廻したカウンターの奥へと、
ずいっと進んで椅子に収まる。
誂えたばかりのカウンター板が清々しい。
お客さんで埋まったあとのカウンターからの出入りは、
蟹歩き気味になりそうです。
「茶碗蒸し」を添えてもらうという贅沢を敢行する(笑)。「上鮪丼」は、どんぶりじゃなくてお重入り。
まずはあら煮の小鉢に食指を伸ばしつつ、その表情を愛でる。
赤身からグラデーションを描くようにしてトロの度合いに変化がある。
そしてねぎトロで大団円。
いいね、これで850円はお徳なのではありませんか。
裏を返す気分で10日後にこんにちは。
二行目の品「海鮮まかない丼」がお目当てだ。賽子状に刻んだ鮪なぞなぞの刺身たちに、
いくらの彩り、針海苔のあしらい、鶉の玉子。
こんなまかないが毎度いただけるなんて、素晴らしい(笑)。
「上海鮮まかない丼」には、
先の茶碗蒸しにお出汁とろろが添えられます。
海況や仕入れ状況によってか「上鮪丼」の代わりに、
「刺身定食」がございます、ってなひるもある。とりどりの刺身は、種類も量も十二分。
“気まぐれランチ”と銘打っての刺身七点盛りの定食など、
ランチメニューの模索と工夫も続いているようです。
日本橋兜町にこの春登場の和食処「久治」がある。硝子戸に貼られた夜の部の品書きを眺めれば、
お造り、すぐでる一品、肴、炭焼き、揚げ物、温物、土鍋ごはんと、
月毎に組み上げた品揃えが充実の井出達だ。
当然”久治さん”が親方かと思ったら、
名刺には、代表 中島義彰とある。
気風の良さそうな大将だし、
こりゃ、あらためて夜の部にお邪魔して、
店名の由来をお訊きしないといけません(笑)。
「久治」
中央区日本橋兜町19-5 [Map] 03-5643-9092