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GALLEY「HONEY BEE」で軍港クルーズとネイビーバーガー横須賀ベース真向かいにて

横須賀と云えばやはり、京急の横須賀中央駅最寄りの酒場「ぎんじ」のことを思い出す。
あの佇まいと酒場の風情、供される酒肴の並びがなんとも堪らない(^^)。
同じ駅東口のペデストリアンデッキ下から始まる横丁、若松マーケットを奥へ奥へと散策するのもまた、悪くない。
一方、彼の有名などぶ板通りはと云えば、日中歩くとおよそただの商店街だけれど、
暗くなるにつれそれなりの異国感が漂いはじめる。
どぶ板通りは、アクセスとしてはひと駅手前の汐入駅からの方が近く、
そんな汐入の海側には、イオン系のショッピングモールがデンと控えている。

軍港とも云われる横須賀港本港に面した、
イオンスタイル横須賀の海側デッキで、
“軍港クルーズ”という文字を見付けた。 どうやら湾内を船で巡れるらしい。
ターミナルでチケットを入手して、
汐入桟橋から、いざいざ乗船しましょう。

軍港をクルーズした時にはまだ、
原子力空母「ロナルド・レーガン」が配備されていた。 原子力空母「ジョージ・ワシントン」が、
ふたたび横須賀を事実上の母港とすべく、
この晩秋に入港するらしい。

艦番号110が、
たかなみ型護衛艦の1番艦「たかなみ」で、
艦番号154が、
あさぎり型護衛艦「あまぎり」。 このあたり、マニアはきっと、
めっちゃ詳しいのでしょう(^^)。

新井掘割水路で本港へ戻る途中、
長浦のS−2岸壁では、
2隻の潜水艦が蒸気を吹き出していた。 ここの場所はもしかして、
映画「沈黙の艦隊」で、
ユースケ・サンタマリア演じるところの、
ディーゼル潜水艦「たつなみ」のソナーマンが、
岸壁で釣りに興じるシーンのロケ地ではあるまいか。

逸見の岸壁まで戻って来たところで、
空母並みにドでかい艦船が目に飛び込んできた。
ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」だ。 艦首から艦尾まで一直線に、
飛行甲板を備えているように見える。
どうやら、空母艦への改装中であるらしい。

軍港めぐり汐入桟橋を後にして、
45分ほど乍ら案外見応えがあったなー、
などと話しながら向かったのは、
横須賀ベースのメインゲート前。 どぶ板界隈ではよく知られた、
ミツバチマークの「HONEY BEE」は、
正にベースの入口の真向かいにあるのだ。

ずいっと、奥めのカウンターへとご案内。
入って突き当たり正面は、
ステンレス板張りの壁に、
アルミなどの銀の鍋たちが掛け下げられていて、
“厨房””調理室”という感じがする。 その右手を振り返れば、
古き良き時代のジュークボックス。
壁には、沢山の色紙が並ぶ。

カウンターから入口方向を眺め遣る。 逆行の先の硝子扉が今にも開いて、
迷彩服で厳ついベースの上等水兵が、
まいど!とばかりに入ってきそうだ(^^)。

カウンターの椅子から正面を見上げれば、
内照式のメニュー板が、
どこか懐かしくもある品書きを照らす。 “ORDERS TO GO”の上に記したその訳、
“おみやげ調整”が可笑しくも泣かせます。

ここ「HONEY BEE」に来たなら、
最初のオーダーはやっぱり、
「ヨコスカネイビーバーガー」でありましょう。
一応お腹と相談しつつもここはひとつ、
ドドンと「キャプテン ネイビー バーガー」を、
ポテトにドリンクとのコンボで註文します。
すると早速、入り口側に置かれた鉄板の上に、
オーダーに応じたであろうパテが載せられ、
焼き音と幾分かの煙を上げ始めます。

久し振りに口にするコカ・コーラ。
コークを飲みつつ待つところへ、
成る程な量感とともに、
楕円のステンレス皿がやってくる。 これが「CAPTAIN COMBO 3080」、
その雄姿であります。
どのあたりが、”CAPTAIN”なのか、
そのあたりは判然といたしません(^^)。

わざとらしく食み出したベーコンは、
こだわりの「昔ベーコン」と呼んでいて、
芳ばしい香りと滲む脂がなかなか印象的。 227gとされる100%ビーフのパテは、
ただ柔らかくジューシーなパテとは真逆の粗挽きで、
塩胡椒で活きる肉々しさが真骨頂。
照り焼きソースはちょっとした風味付け程度だ。

確かに昔ながらとも思えるパテのお仲間は、
目玉焼きにトマトに玉葱にレタスにチーズ。 “昔ながらのクラシックバーガー”と、
メニューにはその調理法を解説している。
それは、昨今のグルメバーガーへのアンチテーゼ。
例えば、あのチェーン店のバーガーと比較した時、
素朴に塩・胡椒で味付けしたパテは、
肉としての素材が感じられるけれど、
片や、妙に旨味たっぷりではあるものの、
練り物のようにも思える薄ぺったいパテからは、
最早、素材そのもの感は、ない。
そんなことをふと思い起こさせるね。

「HONEY BEE」のアメリカンなピザが食べたいと、
日を改めてベースの正面入口前へと出掛けてみた。
ところが、残念なことに、ピザの生地の用意がない、
申し訳ないですーと仰る。 んー、そうですか、えっとえっとと、
店内を飾るネオンサインを眺め乍らしばし思案、
ならばここは「TACO」と「CHILLI DOG」、
両者の出番といたしましょう。
ピザはあまり注文がないのかもしれません。

懐かしのグラスで懐かしの「スプライト」。 カウンター越しのグリドルを今度は、
正面から眺めて、その表情を窺う。
誰か大きなパテのバーガーを注文したみたい(^^)。

「TACO」と表示されたタコスもまた、
バーガー同様に実に素朴な風情のする。 独自な製法のソースと謳うタコソースとミートの、
軽やかなスパイシーさが悪くない。

チリドックもまた、クラシカルなお皿。 きっとこのチョリソーもチリソースも、
創業来の仕立てを守っているに違いない。
それはそれで、そうじゃなくっちゃ、だね。

京急線汐入駅最寄り。
横須賀ベースのメインゲート前に、
GALLEY「HONEY BEE」は、ある。 メニューの裏表紙にあるロゴには、
GALLEY「HONEY BEE」since 1968とある。
Webページによると、
“GALLEY”はアメリカの軍隊用語で、
艦船、航空機などの厨房のことをそう呼ぶ。
米軍横須賀基地の真向かいに店を構える、
GALLEY「HONEY BEE」は、つまりは、
横須賀ベースのキッチンだということになる。
駐留米軍の兵員食堂で働いていた初代店主が、
その経験を活かして創業したと聞けば、
成る程な経緯や光景がなんとなく想像できる。
創業往時からのアメリカンな風情をまた味わいに、
ヨコスカに出掛けてもいい。
店名を「ミツバチ」とした由来を訊いてみたい。
その時はピザ、はできるかなぁ(^^)。

「HONEY BEE」
神奈川県横須賀市本町2-1 [Map]
0468-25-9096
https://www.honeybee-yokosuka.com/

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