喫茶「レンガ」で特製ナポリタンホットサンドオムレッチ絶賛ほっこりは懐古にあらず

2018年10月に閉場した築地市場。
なんだかもう随分昔のような気もするけれど、あれからまだ6年なんだね。
築地場内の魚がし横丁へフラフラと出掛けていたあの頃の光景が、なんだかとても懐かしい。
築地閉場後も、場外一帯は賑やかなままではあったけれど、観光地化が更にどんどんと進行している側面は否定できない。
そんなこともあってか、自ずと足が遠のく感じにもなってきた。

築地四丁目交叉点を隔てて場外の斜向かい。
料理道具の藤井商店が背にする一角、
「築地寿司岩」築地支店の角を曲がる横丁にも、
それなりによく通ってきた。
今はなき「ばらくーだ」に備長炭火焼「jige築地」、
おかみ丼々「和田」の跡に移転した「ふじむら」。
そのまま通り過ぎれば、「布恒更科」に辿り着く。
そんな横丁でずっと気になりつつも、
一度もお邪魔出来ていなかった店がある。
それがそう、喫茶「レンガ」であります。

横丁から晴海通りへ抜けるT字路の角。
硝子越しに店内の様子を窺いつつ、
入口ドアの前に立ち、すっと入場する。
案内された席に腰を据える前にもう、
ご夫婦なんだろうと勝手に思っている、
厨房のおふたりの快活で温かな歓迎の声に、
包まれて、早くもホッとする(^^)。 ふと視線をトイレのガラリ扉の上にある、
照明のアクリルボックスが目に留まる。
よくよく見ると、臙脂色のカーテンを払うネコと、
その奥に穴の脇に佇むネズミの絵に見える。
なんだか気が付く人にだけが気づいたら面白い、
みたいなちょっとした悪戯のようにも思えて、
またまたホッコリしてしまう。

入口脇の小さな黒板には、
「おかげさまで!40周年、ありがとうございます」。
そうか、もうそんなに長くここにあるのですね。

ナポちんももう、ここのナポリタンも、
ご賞味しされてるのかしらん、などと考えつつ、
「特製ナポリタン」をセットでいただきます。 席にもフライパンを返す炒めの音が聞こえてくる。
ナポちん流に云えば、
炒めしっかり目のシャツに飛ばない系。
ソーセージもたっぷりの正しき喫茶店のナポリタン、
であります(^^)。

喫茶店ですもの、珈琲も成る程旨い。 壁の額の認定証が示すように、
キーコーヒー系トアルコトラジャマイスター店の認定は、
伊達でも飾りでもないようです。

晴れた或るおひるには、
「ホットサンドトースト」。
出来る組み合わせは、たまごをベースに、
ハムか、ツナか、ウインナーのいずれか。
たまご×ツナで如何でしょうか。 成る程、たまごはふわふわのオムレツ状。
玉子のコクがそのまんま伝わるよう。
ツナは、よく練っているのかシルキータッチ。
加減よく芳ばしく軽やかな歯触りのパンとの、
バランスもいい感じであります。
足してもらったトッピングのチーズも、
こっそりといい仕事をしてくれています。

小雨降る或るおひるには、
「オムレッチトースト」。 届いたお皿を眺めていたらなんだか、
不思議な仕立てのベッドに見えてきた。
厚切りにしてふわっふわのパンがマットレス、
溶けるチーズのパッドシーツの上に、
半切のウインナーの抱き枕、
ふわふわの半熟玉子の掛布団が覆ってる。
きっと女子は、こふいふの大好きなんだろーなー、
オジサンも絶賛ほっこりだけどね(^^)。

築地 藤井商店裏手の横丁のT字路角に、
喫茶「レンガ」は、ある。 ただただ昭和レトロと呼んでしまうには、
違和感を覚えるし、どこか失礼なような気もする。
店主他スタッフの皆さんは実に快活かつ明朗で、
店の設えは内も外も可能な限り綺麗に整い、
お皿の上も勿論活き活きとしている。
お店で感じる”ほっこり”はなにも、
昭和レトロに対する単なる懐古、
ノスタルジーではないのです。

「レンガ」
東京都中央区築地2-15-15 [Map]
03-3545-4747
https://www.instagram.com/coffeehouserenga/

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