武蔵野うどんの標準とも云えるお店のひとつ「小島屋」は、最寄りの東村山駅の西口から約1.2Km。
15分くらいのことなので歩けないことはないけれど、バスでもあれば乗ってしまいたいところ。
大泉学園に開業した「長谷川」とも連関する「エン座」があったふるさと文化館は、石神井公園駅から1.3km約15分なので、バスでお邪魔した思い出がある。
畑の中のバッティングセンターに併設されている「桂」は、清瀬駅から1.5km約20分の道程が必要なので、行きはバス、帰りは雨に降られてタクシー乗車と相成った。
所在地清瀬市竹丘二丁目。
公団チックな竹丘二丁目アパート群と日本社会事業大学なる大学の間あたりにあるのが、本格手打の「うどん亭 なべきち」だ。
清瀬駅の南口から「きよバス」という市営のバスに乗り、社会事業大学の脇で降りる。
そこから住宅地を歩いていくと、「なべきち」の自立看板とその下に黄色地の手作り感漲る小さなスタンド看板が見つかります。黄色い看板にはこうある。
「一度は食べたい なべきちうどん」。
店前の駐車スペースから暖簾の前に立つ。壁には「武蔵野のご当地うどん」の手書き文字も踊っています。
ご注文は勿論「特製もりもりうどん」の4L。
武蔵野うどんのお店では、“L”という単位が存在していて、先に触れた「小島屋」や「きくや」、その流れを汲む所沢「涼太郎」あたりでもボリュームを”L”で表示しています。なんだか食べる気満々で(笑)、6玉に相当する4Lでお願いしました。
そして、ほとんどのひとが選ぶのが、ご存知「肉汁」。こちらの肉汁は、豚のバラ肉だけが浮かぶシンプルなタイプだ。
湯掻き立て〆立てと思われるうどんは嬉しい褐色で、じっと見詰めると黒っぽい粒子も見え隠れする。地粉で打つ武蔵野うどんはこうでなくちゃいけません。
うどんの盛りに添えてくれている、掻き揚げも武蔵野うどんの定番です。
肉汁に浸して啜るうどんは、なかなかの噛み応え。農林61系の地粉で打つと自ずとこふいふ歯応え食感になる。
濃い目の汁と豚バラの脂と一緒に啜り上げて咀嚼すると、地粉の甘味風味が存分に愉しめるってぇ寸法なのであります。
店の壁には、手打ちうどんへの想いが綴られている。武蔵野うどんを知らないで召し上がった方の中には、半生煮えじゃないかと訝る向きやクレームをつけるひともいるのかもしれません。
確かに初めて味噌煮込みうどんをいただいた時には「なんじゃこれ!」と一瞬愕いたものね(笑)。
似たようなことがあってもなんの不思議もありません。
そして、茹で置きをせずに提供しようと思うとそれ相応の茹で時間も掛かるものですね。
清瀬の住宅地竹丘二丁目に本格手打「うどん亭 なべきち」はある。駐車場の向かい側に満腹のお腹を擦りながら佇んで、改めて店の様子を眺めたりする。
自宅をアパート併設にしてその端にうどん店を構えちゃった。
そんな経緯を想い浮かべつつ、バス停へと戻りましょう。
「うどん亭 なべきち」
清瀬市竹丘2-2-26 ガーデンハイツ [Map] 042-493-0155