かつての引き込み線に沿うようにカーブを描く屋根とその下の仲卸売場。 その先に朝日新聞の社屋や汐留のビル群が見渡せる。この屋上から場内を俯瞰する景観は、 つきじろう築地ツアーには欠かせない場面なのです。
右にカーブした屋根の形状を脳裏に残したまま、仲卸売場へと久し振りに闖入だ。 仲卸の店々もカーブを描いて配置されているのが、当然のことながら面白い。 ちょこっと買い物したりなんかしながら縫うように仲卸売場を抜けて、 そのまま青果市場も徘徊したっけね。
そして、混雑する場内外の店々を横目に足を運んだのが、ご存じ「長生庵」。釣りキチ四平さんも合流して、いざいざ。
店頭の貼り紙には、 香川県讃岐産牡蠣による「かき」「かきの天ぷら」「かき天カレー」そば・うどんが 旬のおすすめとある。 何時ぞやかいただいたのは、そば粉で包んだ牡蠣の天麩羅だったけど、 この日は通常バージョンの牡蠣の天麩羅。 ちょっと甘汁に浸ったところを無造作に齧り付けば、ああ、じわわんと旨みが滲みてくる。 これまた妙に温まる一杯なのでありました。
その時お隣の四平さんがいつもの感じで注文していたのが、 「かき天カレー」の”付け”バージョン大盛り。 そうだその手もあったのだと、膝を打ったことを思い出す。
いそいそと築地場外の外れへと向かいました。 暖簾を潜ってすぐのテーブルに収まってからちょっぴり気が変わって、 ご注文は、”付け”でなく、温かいおそばの「かき天カレーそば」。 まったりとした濃度の出汁カレーと牡蠣の天麩羅が不思議とよく似合う。 カレー風味に負けじと牡蠣と牡蠣を纏う衣の風味が対峙して、相乗するように。 こふいふ風にカレーとマッチするのは、 牡蠣フライじゃなくて牡蠣天麩羅の方だということなのかもしれません。
時季時季の食材魚介を色々な創意工夫で愉しませてくれる、そば處「長生庵」。酒肴が愉しいのも夙に知られたところ。 気の置けない仲間たちの小宴会なんかは、此処も候補にしてよいね。
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「長生庵」 中央区築地4-14-1 モンテベルデ101 [Map] 03-3541-8308
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