そんなこんなで、想定外とも云える大晦日の「川名」へ。 雪国帰りで体調芳しくなかったのむちゃんも一転して復活。 帰国中のlaraさんにつーさん交え、突撃です。それも、やっぱり”ヨジカワ”でしょう、とばかりに開店時間の夕方四時に店の前(笑)。 何故か、正面とそのすぐ横手と二箇所ある扉の一方からおずおずと侵攻し、 常連さん達憩いのカウンターと小さなテーブルの間を抜けて、 奥の陣地へと踏み込みます。
床の軋む小上がりにファンシーな座布団が敷き詰められ、 壁一面に品書きのやらポスターやら、相田みつをの書が貼られている。 テーブルに腰を据えて改めて見上げると、 「奉仕品」と冠したオヤジギャクとはまた違う独特なノリのお品書き札が目に留まる。中には下ネタも混じってる(笑)。 そして、「当店のルール」には、おひとりさま酒類4杯まで等、 お互いに気持ちよく呑むためのルールが掲げられています。
ここではこれでとのご指南にうんうん頷いて、生グレープフルーツサワー。 半身をぐりぐり搾ってジョッキに注ごうとするも、 ジョッキの”中”がたっぷり過ぎて入り切りそうもない。まずはそれをちゅるちゅると適量啜ってからサワーの完成。 濃い口でいいっすねー、と乾杯です。
まずは「牛すじ煮込」294円に始め、滑るような食感が妖艶な「いか刺」336円に、 塩で甘さ引き立つ「里いも(きぬかつぎ)」168円なぞ。 ちなみに「豚煮込」も294円。 思わずその値段を付記したくなるのは、お手頃感が嬉しいからであります。
焼鳥、串物は外せないよねと、例えば「自家製つくね」に「鳥軟骨つくね串」。 熱っついところをホフハフといただく香ばしさ。 しっとりやらほろほろやら、と食感の違い比べたりなんかするのもまた愉し。 ここで「生グレサワー」のセットをお代わり。 グレープフルーツの皮をジョッキに突っ込んで返却します。 のむちゃん、この串は「鳥中おち串」だったでしょうか、それとも「カシラ」だったでしょうか。 もう既に生グレサワーが利いてきていたことは、内緒です(笑)。
「下仁田ねぎ焼き」は、189円! つるんとしたところで火傷しないよう気にしつつ口に含めば、 とろんとした甘さにしみじみしちゃいます。 その一方で「ニラ玉子焼き」は、この見映え。 端っこがちょっとくちゅっとしちゃってるのが愛嬌のあるところ。 甘くしないのが、心意気。
のむちゃんオススメ「山芋ねぎチーズ」。 なんとなくグラタン皿のイメージでいたら、やってきたのは普通の丸皿。山芋が期待通りにサクシャクとして、しなっとした白葱の香りとチーズのコク味の取り合わせ。 いつもそこにいる名脇役、そんなキャラです。
おっと、忘れちゃいけない「ぽてとさらだ」。 ジャガイモをしっかり潰したしっとり系で、玉葱の辛味を利かせ気味のオトナ仕様です。いつも練りモノでお世話になっているスケソウダラだけど、 素朴に「助宗鱈焼き」なんて珍しいよね、とお願いしてみる。 タラって結構大きいイメージゆえ、どんな姿でやってくるのかと構えていると、 これが意外なジャストサイズ。 未成魚なのかなぁ。 その身はホロホロとして独特の香りがして、うんタラだ、という感じ(笑)。 大将の創意工夫魂が垣間見られて、その度に変化していて愉しい、 ってのが麻婆料理。 「マーボなす」に続いて土鍋になみなみとやってきたのが「マーボ豆腐」。のむちゃんによると、俗に云う白麻婆豆腐仕立てだったりしたこともあるらしい。
しっかり酔って、さけ肴と愉しい会話に満足して、ニッカニカ。 そして、生グレープサワーは3杯で十分と知りました(笑)。
“ヨジカワ”を合言葉に常連集う、阿佐ヶ谷の焼鳥割烹の店「川名」。時折ふらっとカウンターの一角に紛れ込んで、メニューの書かれたホワイトボードを眺めたい。 あれはまさしくいい肴、これもきっと愉しい肴。 常連さんたちの会話も肴にしちゃうかも(笑)。
「川名」 杉並区阿佐谷北3-11-20 [Map] 03-3339-3079
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