それは恐らく、3年前の冬のこと。
「新川河岸」でカキフライのランチをいただいた帰り道だったでしょうか。
新川の裏通りを歩いていると、真新しい朱色のテントが目に留まりました。
テントの先端の白抜き文字には、
「Table d’Hote」。
イタリアンみたいだなぁと眺めつつ近づいて、
店内を覗くも、営業はしていない様子。
気になって電話を入れてみるも、新規オープンしたばかりなのだけれど当面ランチ営業する予定にはしていないのです、というお応え。
そのうち夜に出掛けよう、と思いつつ機会つくれずに過ごしていました。
と、刀削麺の「リトルシーアン」近くの霊岸橋交差点にA看板が立ててあって、そこに「Table d’Hote」の文字を発見。
ランチを始めていたようです。
しばらくしてランチどきの新川へ。
店頭のA看板でも、30食限定のパスタランチコースを提示していました。
落ち着いた雰囲気とインテリアの店内には、
ふたり用テーブル6卓にに僅か2席のカウンター。
おひとりさまは、カウンターへと案内されます。
まずは前菜のチョイスから。
基本的には、ポタージュスープかサラダかの選択にしているようで、
猛暑の残るその日には、冷製のスープが嬉しいなと、
「バターナッツとかぼちゃの冷製ポタージュ」を。
たっぷり容量のボウルに注がれたスープをひと口。
ああ、いい、旨い。
かぼちゃそのものな風味とコクがすっきりと滑らかなポタージュに仕立てられてる。
冷製といえば、ヴィシソワーズくらいしか思い浮かばないのが面目ない感じ(笑)。
厚手のフォカッチャを千切りつ、極力音を立てないように、ツツといただきます。
選んだパスタは、「キャベツとアンチョビのアーリオオーリオ」。
手打ちパスタは、フェットチーネ的幅広麺。
全面に降り積もったガーリックチップの粉やらイタリアンパセリやらをオイルソースに絡めてちゅるんとすれば、ふむふむ、固めの茹で加減に適度にエッジの利いたパスタはまさに生な食感。
アンチョビの塩っ気風味が味わいを膨らませてくれて、いい。
例えば、お野菜てんこ盛りに映る「イタリアオムレツと有機野菜のサラダ」といったサラダ系の前菜にも惹かれつつ、ここのポタージュへの誘惑断ち切りがたく、今度は温かい「えんどう豆のポタージュ」なぞで。
ああ、エンドウ豆の微かな青みと自身の旨みが相乗して、これも旨い。
プラス300円で、前菜両方とも、という手もあるのだけどね(笑)。
今度はどうやら定番らしい、「プッタネスカ」を。
しっかりした塩っ気に辛味、オリーブの香気とが渾然とするソースにくにくにとした麺が拮抗し融合していく。
なぜに”娼婦のパスタ”なのかなぁと首を捻りつつ、
フォークにまたひと捲き。
乾麺では、ナポリ・グラニャーノ産のファエッラを使っている模様。
新川のパスタとワインの店、「Table d’Hote(ターブルドット)」。
イタリアンだけど、その名はフランス語なんです、と笑うホールの彼。
この10月初頭で、目出度く開店3周年。
ランチは今年からはじめているのだそうです。
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「Table d’Hote」
中央区新川1-7-10
[Map] 03-3206-2322
http://ta-ble.com/
column/03038