銀座木挽町・うどん「太常」で 青果卸転じて九条葱にカレーうどん

daitsune.jpgそれは、梅雨の走りの頃だったか。 海水魚水槽のあれこれでお世話になっている、 「パウパウアクアガーデン」からの帰り道。 例によって路地の散策でもしようと、 ほんの少し遠回りしたことがありました。 すると、昭和通りから一本裏の小路にうどん屋さんの提灯を発見。 そういえば、ロレンスさんがお昼してたなと思い出す。 ちょっと寄っていきましょう。
うどん「太常」は、幅の広い硝子の引き戸を開け放って、開放感たっぷりの装い。 daitsune01.jpg左手に厨房があって、その手前にうどんを湯掻く釜が湯気を上げていて。 店の奥に目をやると、「製麺所」と標した、さらに硝子戸で仕切ったうどん打ち場がある。 紛れもない自家製麺なのであります。 一杯だけ呑んで、うどんを啜りたいなぁとお品書きを捲るとそこには、 daitsune02.jpgあちこちの野菜を使った真っ直ぐメニューが並んでる。 「北海道ゴロっとポテトサラダ」あたりをお供に、いまやすっかり定番となった「角ハイ」のジョッキをいただくことにしようかな。daitsune03.jpg のんびりと呑み終えたところに迎えたのが、 「九条葱うどん」あつあつのどんぶりです。daitsune04.jpgどんぶり一面に小口切りした葱、ネギ、ねぎ。 その葱たちを掻き分けるようにして引っ張り上げたうどんは、讃岐仕様か。daitsune05.jpgタピオカ的な靱性ではなくて、強すぎない塩梅のいいコシつきが、 するすると喉の先へと収めさせる感じ。 たっぷりの葱の、ちょっと青い辛さを一緒に、一気喰いしてしまうのであります。 日を替えて、同じ「九条葱うどん」の冷やしをいただてみました。 やや辛めの仕立てたつけ汁には勿論、たっぷりの九条葱。daitsune06.jpgやはり冷たいうどんだと、麺のしなやかな魅力がより判る。 妙に気合いの入り過ぎたノリじゃなく、歯切れのよい、”いつも”な感じに好感です。 daitsune08.jpg お昼どきにも出掛けてみての、「カレーうどん」。 カウンターに並んだ天ぷらからアスパラとアボカドを選んでトッピング。daitsune07.jpg とろみのつよいカレーつゆは、辛いというよりはどこか甘ささえもあるよな仕立て。 ちょっと粉っぽいのが気になるものの、これはこれで悪くない。 daitsune09.jpgdaitsune10.jpg 量感のあるうどんにしっかと纏って、口元にも滴りかける。 予想通りに旨いアスパラの天ぷらに対して、 アボカドの天ぷらはとっても不思議な食べ口。 そう、不思議、とだけ云っておきましょう(笑)。

開店後しばらくは、昼だけの営業だったという、 木挽町のうどん「太常(だいつね)」。daitsune11.jpg「太常」といのはどういう意味で?と訊けば、 今も建物の二階にある青果卸の社名が「だいつね」だそう。 神田多町の青果卸の五代目が、家業を息子に譲り、どうしてもやりたかったうどんの店を銀座のビルのガレージを改装して実現してしまった、ということらしい。 daitsune13.jpgちなみに壁に掛かっている水彩画は、 その青果卸「神田太常」の往時の様子を犬をキャラクターに描いたものだそう。 なるほど、店先に果物や野菜が並び売られているのは、 そういう背景があってのことなのですね。


「太常」 中央区銀座7-15-17 だいつねビル1階[Map] 03-3541-2227
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