手打蕎麦「HONMURA AN」で 鴨せいろそば滑らかな粉々しさ

honmuraan.jpgピアニスト山本美樹子さんのサロンコンサートを覗こうと、週末の六本木。 最近ますます縁遠くなってきた六本木に週末の昼間いることはそうそうない。 折角なので、どこでお昼を摂ろうか思案して、思いついたのが、「本むら庵」。 ただし、旧来の「本むら庵」は、怪人のレポート通り07年に閉店してしまっていて、ニューヨークにあった「HONMURA AN」が引き継ぐように開店していたのです。
週末昼下がりのお蕎麦屋さん。 こんなに呑んでしまいたい場面はないものです(笑)が、コンサートで熟睡して鼾掻いてもいかんしと自重モード。 ちょうど数組のお客さんと入れ替わりになって、静かな店内。honmuraan01.jpgインテリアは、NYでの設えを受け継いでいるのでしょうか。 honmuraan02.jpg 見開きのみのお品書きには、冷たいそば、汁ものそばに親子丼、穴子天重といった御飯もの。 寒空ゆえ温かいヤツにも惹かれつつ、あれば必ず注文みたくなる「鴨せいろそば」をお願いします。 伝票を持って厨房へと向かう背中を呼び止めて、「一枚の量、多くないですよね」と訊く。 ハイとも応え難いだろうからと、続けて「二枚にしてください」と二本指のサイン。 だって、お腹減ってたんですもん。 honmuraan03.jpg間もなく山葵とおろし金を持ってきてくれたけど、 そういえばお蕎麦に山葵をあまり入れなくなって久しい。 さらし葱があれば、薬味は充分なのです。 なるほど、届いたせいろに載る蕎麦は、右の本格派。 蕎麦の粉々しさが滑らかなテクスチャに包まれているような表情で誘います。honmuraan04.jpgそのまま口に含んでみると、仄かに蕎麦の香りのする。 つけ汁はというと、やや乳化したかのように浮かぶ鴨の脂が唾液を呼ぶ(笑)。honmuraan05.jpghonmuraan06.jpgしっかり煮出された出汁旨みは甘さを想わせて、さらっと蕎麦に纏ってはその魅力を何倍にもして、啜る毎に味蕾を擽ります。 いいねぇ。
蕎麦湯を猪口に注ぎ、両の手で支えて啜りながら眺める店内は、いつの間にか随分とお客さんが増えている。honmuraan07.jpg卓上の徳利がちょっと羨ましい(笑)。

六本木「本むら庵」の跡地を受け継いで、NYから帰国した「HONMURA AN」。honmuraan08.jpg訊けば、経営は別々であるも、「本むら庵」の親族が営んでいるンだそう。 ちょっぴり心配した、NYに迎合したような妙な残り香は窺えず、もうずっとここにあったようなそんな気配を感じました。 久々に、荻窪方面にも行かなくちゃ。


「HONMURA AN」 港区六本木7-14-18[Map] 03-5772-6657 http://www.honmuraantokyo.com/
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