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自家製麺「たかはし 中華そば店」で 羨望煮干し中華陶然を想う
澄んだ煮干しスープの「まるかい」を離れて、
弘前方面へ。
弘前に近づくに従って、降る雪や路面に積もる雪の量が明らかに減ってくる。
takapuによると、日本海側の弘前に比べて、八甲田を背にしている青森市街の方が随分と雪が多いのだそうだ。
そして、弘前への目的は勿論、ここの中華そばを啜ること。
二年以上も気掛かりだった店「たかはし」に漸く、辿り着きました。
駐車場の奥にある、赤い暖簾と提灯がなければどなたかのお宅にもみえる建物が中華そば「たかはし」。
妻壁の銘板には、「自家製麺 たかはし 中華そば店」とある。
アルミサッシュに手を掛けた途端に鼻先を心地よく擽る煮干しのにほいにワクワク。
券売機の前に立って眺める店内は、手前左手に小上がりがあって、正面左手が厨房をL字に囲むカウンターで、右手にテーブルが数卓ある。テーブルに席を得て厨房をみると、へーっと思うほどの人数で対応していて、その誰もが意外と若いのが印象的だ。
早く来ないかなぁと、厨房の方をちらちら見ながら、爪先立ちな感じ(笑)。
あ、来た、来ました羨望の煮干し中華のドンブリ。
目の前に届いたのは、「中華そば」の濃い口だ。阿ることのない、その素朴なる雄姿。
たっぷりと湛えたスープは濃密感のある桑茶色で、淀みなく濁っていると、そんな背反するような不思議な印象を与えてくる。
まず普通仕立てのtakapuのどんぶりのスープを啜ってみる。
平然を装いつつも、心の中は、むほほほほほ(笑)。
想像に叶う煮干しの魅力十二分に抽出されたスープに、その湖面を改めて刮目する。ほうほうと頷きつつ、手前のどんぶりを啜ると、濃い口というのは、さらに激しく煮干し出汁させているのではなくて、タレの醤油をより利かせることを云うらしいことが判る。
おーなるほどねーと再び頷きつつ、自家製と謳う麺を引き上げて、ズズと啜る。むにむにっとした麺の表面の煮干しスープをたっぷりと吸い上げるように纏って、
さくっと歯切れる。
そして、そこへ空かさずレンゲのスープをズズと追い掛ける。
にゃははは、やっぱりいいねー。
乱暴なまでの煮干しを想像すると、意外とあっさりだなとさえ思わせるバランスも持ち合わせている感じ。
ひと口またひと口と、あっと云う間にドンブリの底までを平らげてしまう。
そして、なんだか身体の芯を解すように和ませてくれるような、ささやかな至福に浸っては一瞬の陶然を想うのでありました。
青森・煮干し中華の雄として、きっと必ず名の挙がる「たかはし 中華そば店」。そんなドンブリを当たり前のモノのように普段喰いできる、ご近所さんが羨ましい。
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「たかはし 中華そば店」 弘前市撫牛子1-3-6[Map] 0172-34-8348