雪の降り続く青森西バイパス、国道7号線。
開店時間目掛けて車を走らせてくれる
takapu。
積もった雪の駐車場へ一番乗りで滑り込む。
車窓に、車の鼻先を真っ直ぐ店の入口へ突き進むワンボックスが映る。
ひとりの妙齢の女性が降りてきたのが意外で、客ではない?と首を傾げながらさらに眺めていると、麺の木箱を荷台から降ろし店内へ運び込む。
それは、開店3分前の出来事でありました。
どーぞー、と招かれて、両の手を擦りつつ一番乗りで店内へ。
厨房前に一直線のカウンター、そして国道寄りに並行して小上がりのテーブルが並んでいます。
骨太なザ・煮干しの中華そばを所望したい自分は、takapuもススメる「とんこつ煮干しそば(こいくち)」。
定番メニューには他に、三種の煮干しを煮出す「煮干し中華そば(あっさり)」に豚ばらを敷き詰めた「ばらそば」、背脂トッピングの「背脂煮干しそば」がある。
地元ぃーtakapuは、うどんのような太麺「らぅどん」
に挑むという。
卓上のお新香をぽりぽりしつつ下がり壁を見上げると、
麺についての筆文字が踊ってる。
上質の小麦を使用したもちもちの中太自家製麺を常に打ち立ての状態で。
なるほど、先程の女性はただ単に遅刻ぎりぎりになっちゃったンじゃなくて、どこかの製麺場所から打ち立ての麺を運んでくれたってことなのかもね、と思ったりする。
と、やってきました「とんこつ煮干しそば」。
ほうほう、どんぶりの表情にどことなく猛々しい気配が滲んでる。
まずは、と恭しくレンゲのスープを啜る。
うむうむ、贅沢にも沢山の煮干しから煮出した出汁をとんこつ動物系のコクスープがグググっと支えている感じ。
影響を受けていると云われる「たかはし」とはまた違う仕立てを思う。
叫ぶ訳にはいかないが(笑)、いいぞ、いいぞ。
こうなるとどうしても比べてしまうのが、
煮干しとトンコツが高次元で結実していた「凪 西新宿」のスープ。
西新宿のスープは、云わば煮干しととんこつが50:50。
そして脂とその乳化が強い分だけ、力強さに訴えて印象が強い。
方や、ここ「ひらこ屋」のスープは、濃厚な煮干しのスープがあくまで主役で、とんこつが自身の脂の甘さに走るのをぐっと堪えて、男優賞ものの助演を演じてる。
そんな感じ。
きっと煮干し中華を脂で喰いたきゃ、「背脂煮干しそば」喰ってくれ、ってことでもあるンだと思う。
きっと彼女がさっき持ち込んでくれたであろう麺は、なるほど、
もっちりぷっちりの歯応えのする中太麺。
適度な量感も伝えてくれて、悪くない。
ただ、煮干し中華にはやや細めの粉っぽい感じのサクサク麺が一番合うと思い込んでしまっているので、このスープで「伊藤」の麺を啜りたいなどと不埒な思いがふと脳裡を過る。
ま、なんてことも一瞬で、またウホウホと一気呵成に啜ってしまうのだけど。
早食い過ぎ(笑)?
バイパス沿いの、記憶に残る煮干し中華そばの店「ひらこ屋」。
takapuありがとう。
今度は是非「背脂煮干しそば」を啜りたいので、また連れていってくれないかなぁ。
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特級煮干そば「凪」西新宿店で 特級煮干と動物出汁巧みな融合(09年11月)
「ひらこ屋」 青森県大字新城字山田588-16
[Map] 017-787-0057
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