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太陽の恵み味「太陽のトマト麺」で 太陽のチーズトマト麺と無表情
茅場町交叉点近くを歩いていて、この赤、黄、緑のサインを認めたのはいつのことだったかな。
トマトを使ったラーメンは、例えば、同じ茅場町の「第一旭」にもあるくらいで、特別珍しい訳でもないものの、そのうち覗いてみる手もあるなぁと思っていました。
そうそう、トマトを使ったラーメンに初めて出会ったのは、新宿・百人町辺りにあった「白龍」のトマトトッピングのタンメン。
そんなことを考えながら、暑さのやや退いた、心地よく晴れたお昼に足を向けてみます。
店頭のA看板の黒板に「冷やし担々麺」とあるのを横目に、ドアを開けました。
その黒板の品をと伝えると、それは14時からのメニューだという。
随分と紛らわしいことするじゃんと思いながら、それでは素直にメニュー筆頭から参りましょうかと「太陽のチーズラーメン」で。
紅いスープの中央におろしたチーズの黄色い島を浮かべ、
そこへ気持ちばかりのバジルのトッピング。嘘か誠か、イタリア産有機トマトを3個も使ったというスープは、
なるほどトマトの甘みと酸味が支配してる。
ただ、トマトの風味を活かそうとしてのことなのか、ぐっと全体を下支えするようなベースのスープの旨味は感じられない。
ひと味足りないというか、ひと押し足りないというか。
ふう~んと呟きながら(笑)、箸の先をドボっとその赤に突っ込んで、探るようにして麺を引き上げると、麺が意外なほどのやわやわ。かん水を減らした代わりに卵白と豆乳で仕上げた麺らしく、あれこれ試行錯誤の末の麺なのだろうと思うも、もっと粉コナした細麺がこのスープにはマッチするような気がするンだよなぁ。
Webサイトを覗くと、カロリーを控えたいけどラーメンを食べたい人におススメの低脂肪な鶏ベースの”次世代スープ”とある。
ロハスなスープが次世代のスープなのだと云われると、
そうかもねとお腹を擦りながら(笑)、なんだか反発したくなるのは何故でしょう。
それでもやっぱり、「冷やし担々麺」が気になって、夜に寄り道してみました。
夜ともなれば、お酒メニューが目に留まり易いところに置いてあって、しかもそれは「トマトマワイン」「トマトマレッドアイ」「トマトマ緑茶」「トマトマロック」などのあれこれトマトもの。
「TOMATOMA」は、以前「Celeb de TOMATO」でいただいたトマト焼酎のことだな、きっと。
折角なのでと、トマトのスライスにバジルの葉をあしらったグラスのイラストを指差して、コレ頂戴。
そう聞いたおねえちゃんは、はーい、トマトマトマト~と言い切らないうちに背を向ける。
「はーい」と渡されたグラスは、学食でお冷を注ぐような飾り気のないプラスチックのグラス。
あれ?イラストと随分と違うのね?と訊くと、ハ?アタシニキカレテモ~という表情で特に応えることもなく、再び背を向ける。
呑めばただ、ちょっと甘めのトマトジュース。
なんだかなぁー。
ややあって届いたは、「冷やし担々麺」のお皿。トングで捻ったらしき、嵩のある盛り付けを水菜が飾る。
冷やし担々麺にしたいのだけど、トマト麺の店なのでトマトを利かせなくちゃいけくて、そうすると辛味をぴりぴりでも胡麻ペーストでザ・クリーミーでもない半端さが鼻につく。
冷たい麺とトマトソースが紡ぐ清涼感は十分あるものの、これまた味わいの芯になにかが足りない感じで、気分が蟠る。
脂を抑えての健康志向もいいけれど、でもなぁー(笑)。
あけっぴろげのオープンキッチンでは、
調理やサービスをしているスタッフの表情や所作がまる見えになる。
愉しげに懸命にリズムよく立ち動いている様子であれば、
眺めているだけで楽しいし、お皿への期待も増してくる。
反面ここのキッチンみたいに、無表情でどこか怠惰な動作や義務的な受け答えを眺めていたら、
食欲も萎えてくる、ってね。
トマトでラーメンをひとつの形にした「太陽のトマト麺」。たまたまなのかもしれないれど、士気の下がったファミレスに間違って潜り込んじゃったような気分が切なかった昼と夜。
太陽が燦々と降り注ぐような朗らかさがもう少し、店内にもどんぶりの中にも欲しいなと思います。
口関連記事:
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トマト専門店「Celeb de TOMATO」で 赤黄緑のトマトづくし(07年07月)
「太陽のトマト麺」茅場町支店 中央区日本橋兜町7-7 [Map] 03-5652-9830
http://taiyo-tomato.com/