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バー「銀座ブラン亭」で 昼の顔インド風カレーライス夜も知りたい
コリドー通りを背にして、
おでん「江戸源」のあった方向を眺める。
すると、あれ?こんなところに床屋さん?と見紛う突出看板が見つかります。
近づいて見上げるとそこには、「いま甦る夢のカクテール 電気ブラン」とあって、なるほど電気ブランの”ブラン”から「銀座ブラン亭」と名付けた、つまりはバーの類なのだなと窺えます。
ところが、その看板の下で地階への案内をしているスタンドにあるのは、「インド風カレーライス」の文字。
ふうむ、バーがランチで供するカレー、そんなことなのでしょうか。
古びた雑居ビルの地下への階段を覗くと、その先にも手作り感が微笑ましい「カレーライス」と縦書きしたバナーが見えて、そこが目的地だと判る。
さらさらカレーです、と謳う貼り紙がなければ、開くのに戸惑いを誘いそうなドアを開けると、その中は想像以上に小じんまり。
入った瞬間に、7、8脚のカウンターの真ん中にいることになります。
古き良き銀座の夜の匂いを籠もらせているような、そんな空気に正面の古時計がよく似合う。
こちらでは、カレーがあれこれ種類があるわけではなくて、潔く「カレーライス」のみ。
そして、メニューに添えてくれている紙には、ポーク、ししとう、エリンギ、キーマカレー、とある。
目玉焼き付でお願いしました。
カレーが届く前にカウンターの上が賑やかになる。
レーズンやフライドオニオンといったトッピングの小皿やらっきょや福神漬け、さらには白菜の漬物、そしてお好みでプラスするためのコリアンダーやチリなどのスパイスやチャツネなどをぞろぞろと並べてくれるのです。
すっかり今日のカレーはキーマだ、と思っているところへライスにキーマの載ったお皿が届きます。
ところが、そこへソースパンもやってくる。ソースパンのカレーをお皿に注げば、ポーク、ししとう、エリンギが具材になっているのが判る。
なるほどー、キーマもトッピングのひとつ、という解釈もできそうだ。
貼紙に「油をほとんど使わず」とあるように、ベタつきやしつこさとは無縁のさらっと優しいカレー。
デフォルトの辛さは、辛いのがそう得意でもない自分でも、もうちょっとアクセントが欲しいような、でもそのままでもいいような、そんな心持ちになる。
チャツネやチリをちょっと足しては、風味が増して甘さと辛味の輪郭が変わるのが鮮やかに。
玉子焼きを解しつつ、レーズンやオニオンを織り交ぜつつ、キーマのところへ行き来したりと、お皿の上のバラエティーが嬉しいな。
如何にも手狭なカウンターの中で、せっせとサービスしてくれた姐さん。
彼女が夜もこのカウンターを守って、時に電気ブランも提供しているのか、それとも別の方がバーの主だったりするのか、訊き損なっちゃった。
老朽ビルの味わいも魅力の一片な「銀座ブラン亭」。
再開発の刃に晒される前に、このカウンターの夜の景色にも浸らなくっちゃ。
「銀座ブラン亭」 中央区銀座7-2-17 南欧ビルB1F [Map] 03-3571-0972