沖縄のごちそう「道頓堀」で いか墨汁と中味イリチーの朝ごはん

dotonbori.jpg牧志公設市場の二階がこんな風情あるフロアだったとは、実は知りませんでした。 そのまま露天も似合うような、古びていて活気あるアジアの食堂のような空気感がいいンだね。 一階で魚介を仕込んでそれを二階で調理してもらえるってのは、市場でよくあるパターンだけど、やったことはない。 開場時間と聞いた朝10時過ぎに行ってみると、一階の市場にあれこれよりどりに並べられていた魚介たちの姿はまだなくて、ちょうど準備を始めたところのよう。 ハリセンボン、なんか食べちゃおーと目論んでいたのになぁと思いながら、二階にあがると「きらく」「次郎坊」といったお店もまだ開店前。 ならばとエスカレーターを上がってすぐ正面の「道頓堀」で遅めの朝ご飯をいただくことにしました。
調理場前の垂れ壁に構えた看板下の端から端までに貼り下げられた品札。 こりゃ迷うよなぁと呟きながら(笑)、右へ左へと視線を泳がせて選んだのは、「いか墨汁」。 そして、「中味イリチー」だ。 しっかり塗り上げたお化粧のオバチャンが「服に撥ねかせると落ちないから気をつけてね」と届けてくれたどんぶりは真っ黒な海。dotonbori01.jpgステンレスのレンゲで、ひと口目はちょっぴり恐る恐る、その黒い滴を啜る。 とろみはなく、さらっとした中に烏賊墨のコクと風味がすんなりと溶け込んでいて、下地のスープのしっかりした旨味を支えてる。 うほほ、なぁんだ、うめぇじゃん(笑)。 烏賊の身は甘く柔らかく歯の先に馴染み、フーチバがいい合いの手になっている。 「中味イリチー」の”中味”は、つまりは豚の中味、ホルモン。 “イリチー”は、炒めもの、炒め煮、といった意味らしい。dotonbori02.jpgdotonbori03.jpgクセなく、何気なく柔らかな、あじくーたー。 なにも考えずに、オリオンに、泡盛に、そしてご飯のお供にしちゃえばいい。 そんなお皿であります。 まちぐゎーの食堂、「道頓堀」。dotonbori04.jpg沖縄本島のヘソで「道頓堀」とは、やや違和感も覚えるけれど、きっと大阪・道頓堀に縁のある店主・創業者であったのでしょうね。


「道頓堀」  沖縄県那覇市松尾2-10-1牧志公設市場2階[Map] 098-866-0557
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