column/02712 @1,500-
うちなー茶屋「ぶくぶく」で 香ばしさ交叉するぶくぶく茶泡下の泡盛
とっても久し振りの那覇・国際通りを漫ろ歩く。
いままで昼間歩くことがなかったためか、妙に朗らかな印象の目抜き通り。
アーケードに潜り込んで、牧志公設市場の1階から2階を巡り、横に抜けた平和通りからさらに進んで石畳の壷屋やちむん通りへ。
焼物(やちむん)店の先の路地を上がってやっとこ見つかるのが、地元っ子の知る隠れ茶屋「ぶくぶく」だ。入口の格子に掛けられたメニューの筆頭にあるのが「ぶくぶく茶」。
果たして、その「ぶくぶく茶」とはなんだろう。
そんな仄かな期待を抱いて、民家な佇まいの白い暖簾を払いましょう。板張りの床が畳が清々しくも心地いい。
腰を下ろせば、すーっとゆっくり風が抜けていく。
このままここに泊まってしまいたい、そんな気分になるね。
姐さんの丁寧な説明によると、「ぶくぶく茶」とは、炒ったお米を沖縄の硬度の高い水で煮出した煎米茶とさんぴん茶などのブレンドした茶湯とを合わせて、さらに泡立ててつくるのだそう。
早速その、さんぴん茶、ゴーヤ茶、うっちん茶、ハイビスカス茶とある中からさんぴん茶を選んで「ぶくぶく茶」をお願いしました。冷たいのもできるのだそう。
そしてその名のイメージ通りの“ぶくぶく”を頂いた茶碗が届きます。
儚げででも意外にしっかりとした泡の下のお茶を啜ろうとすると、どうしても鼻の先に泡がつく。
それを互いに笑ったりするのも一興というわけで。
泡の先に振った落花生の香ばしさと煎米茶の香ばしさが交叉して鼻先を擽る。
見上げるその先には、琉球瓦の屋根たち。
すっきりとしたジャスミンの風合い。
ゆる~っとした安堵に癒されるような、不思議な心持ちになるですね。
もしやパフェはないかいなと探す(笑)メニューに、「ぶくぶく泡盛」という一行を見つけた。
「茶屋ぶくぶくがチョイスした泡盛」って意味じゃないの?と訊いてみると、これも“ぶくぶく”してるよというので、追加オーダーしてみました。
なるほど、ぶくぶくが載ってて、お茶と同じに見える(笑)。でも中身は、宮古「菊之露」の10年古酒。
追加でオーダーしてくれたのでちょっとサービスのバージョンだそう。
再び鼻の頭に泡をつけつつ、柔らかい泡盛の滴にゆるゆるとしてしまうのであります。
国際通りから市場周辺の雑踏からは隔絶した、癒し空間「ぶくぶく」。お隣の新垣家・東ヌ窯(アガリヌカマ/現存する唯一の上焼窯)は国指定重要文化財なのだそうです。
「ぶくぶく」 那覇市壺屋1-28-3 [Map] 098-861-2950
http://www.buku-buku.com/