新川の裏通り。
路上に看板がなければ、普通の住宅として当たり前にその前を通り過ぎそうな、そんな佇まいをみせているのが、晩酌処「ごふくの丘」です。
店内は、木目と白い壁。白い革張りの椅子を配して
いる。
京都の町家造りの古民家をカフェに改装するノリと同じ着想があるのかもしれません。
ランチメニューは、「週替り御膳」に、定番的な5種類。
ランチでもこだわった素材を用いてくれているそうで、然らばと、花味鶏という鶏の身肉とうみたて玉子とを使った「冷製卵かけうどんと花味鶏の炙りヅケとろろ丼」をお願いしました。
玉子かけご飯ならぬ玉子かけうどんというのも素朴ながらも素材の魅力をそのまま味わってもらおうとするアイデアがいいね。
タピオカ使いとも思えるものの、しっかりとした歯応えのうどんにちょっと出汁を利かせたとき玉子がよく馴染んで、ずず、ずずず。
そして、どんぶり。
旨味が清冽で、身肉柔らかく、たたきで食べるために仕立てたような鶏肉が素直にイケる。
玉子の黄身を潰し添えれば、小気味いいコクが加わって、うほほ~とご飯が進む。
なんちゃってカフェめしでは?なんて斜に構えて座ったカウンターだったけど、そこには嬉しい発見がありました。
「豚肉とニラの卵炒め御膳」の豚さんは、興農豚という豚。
豚舎の環境も飼料も工夫しながら、北海道の大自然で育てた健康豚だそうで、塩ダレに引き出された甘みが半熟炒めの玉子と一緒になってご飯を頬張らせる。
ふむふむ、ほかのランチメニューも気になっちゃう「ごふくの丘」の“ごふく”はきっと“五福”のこと。
そして、”晩酌処”へはやっぱり宵闇以降にお邪魔しなけりゃいけません。
「畑から」「大地から」「大海から」「田んぼから」とタイトルした夜メニューも期待しちゃうな。
身にも心にも健康という福を齎してくれるかも。
「ごふくの丘」 中央区新川2-5-8 03-3555-0529
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