column/02093
オムライスの店「達ちゃんオムライス」
人形町の裏通りにちょっと不思議なお店を見つけました。看板には「達ちゃんオムライス」とあって、店頭のホワイトボードにはすべて赤い文字で「オムライス」以下「ポークソテー」「ナポリタン」などと洋食屋チックなメニューが書かれている。店内は、以前はラーメン屋だったと訊けば納得の造りで、全体を雑然とした雰囲気が包んでいます。促されるまま、小さな券売機で「オムハヤシ」のチケットを購入してカウンターに座る。このヒトが「達ちゃん」かなぁと思いながら、お冷のコップをいただいて、ランチョンマットの上に置こうとするも、そのマットがべこべこにそっくり返っていて溢しそうになる。もうひとりの、やっちゃ場にでもいそうなオッチャンが狭い通路を背中沿いに行き来して忙しない。お、やってきました値段はおんなじ大盛り「オムハヤシ」。なんか、店内の佇まいとどこか不似合いなファンシーさのあるお皿じゃありませんか。こんもりと船底型に盛り上がった玉子の表面がぬらぬらとしている。えいっとスプーンを差し込むと包んだ玉子は意外に薄手で、その中身は案の定、チキンライスではない。中が薄味の感じの、でも炒めたご飯であると随分と豊かな気持ちになるもの(?)だけれど、それはまぁそれなりに手間もかかるし、それをよしとしない向きもあるわけで。そして周囲を囲うブラウンなソースは、カジュアルな風合いながら、くどさなく酸味ほど良く、なかなかどうして悪くない。こうしてドームを突き崩しながら食べ進むと、ご飯のボリュームもなかなかであります。あれ、でも、するってぇと、デフォルト「オムライス」は、同じ仕様のオムライスにケチャップがのるだけ、なのかな。庇のサインに、お隣の居酒屋「くじらい」と同じマークをあしらっているところをみると、同族の経営なのかと思われます。
「達ちゃんオムライス」 中央区日本橋人形町3-9-7