そして、待つこと暫らく。ひつまぶしのお膳がやってきました。 木の温もりと力強さを感じさせる器の、その蓋をすっと外すと、余すところなくびっしりと並んだ蒲焼が現れる。 お品書きに示されているお作法通りに、杓文字を十字にすすっと入れ、その1/4ブッロクを茶碗によそり、いただきます。 カリしっとり、とでも表現できそうな軽快な食感のある外側にさっぱりとしたタレがしっかりと馴染んでいる。 旨いぞ~。甘すぎずベタっとせず濃すぎないなんて名古屋らしくないじゃん、なんて不遜なことを思ってしまった(笑)。
続く1/4は、刻んだ葱やら海苔、おろし山葵といった薬味を添えていただきます。 そして第3ラウンドは、ひつまぶしのお約束、茶漬け。 あらかじめ用意されていた急須から出汁を注いでずずっと啜る。 ああ。やっぱりお茶よりも出汁の方がいいということが明快に分かるのねん。 お作法では、最後の1/4は、一番好きな食べ方で召し上がれとある。 一番好きなのは、山葵を除いた薬味を載せる食べ方だな。ハグハグ。 結構なボリュームのお膳なのに、ぺろりと平らげてしまいました。 「ひつまぶし」、悪くない。
「あつた蓬莱軒」は、明治6年の創業だそう。 そしてその名物”ひつまぶし”は、蓬莱軒の登録商標なのだそうです。
「あつた蓬莱軒」 名古屋市熱田区神戸町503番地 052-671-8686 http://www.houraiken.com/
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