すし「小笹寿し」

kozasa_kasumi.jpgかの銀座「小笹寿し」と同じ暖簾を掲げる店が西麻布の裏通りにひっそりとあります。話題の「DAL -MATTO」並び、無機質なビル前の路上に灯る行燈形の小さなサインが目印です。思いがけないほど飾り気のない設えの店内。ちょうど小僧さんがおらず、ひとり奮闘中だという大将もどこか朴訥とした印象です。醤油に溶いた肝に合わせていただくカワハギのお造りやパリッと香ばしく焼き上げた穴子を肴に、米焼酎のグラスを干していきます。先客のなかったカウンターもいつの間にか満席になっている。そんな頃から、細魚、酸味の香る鮪ヅケ、さらっとした煮ツメを載せたふっくら煮ハマ、蛇腹のトロ、などの握りがやってきました。煮キリに引き出されるその身の甘さが嬉しい春子。ん、おぼろ、かな…。そして山葵たっぷりにしてもらった干瓢巻きで〆る。このところ新進の寿司店が目白押しと噂の霞町界隈。そんな外界の話題に、承知はしていても半ばどこ吹く風と飄々とした表情の大将。でもその実、無為に安穏としている訳でもなさそうだ。 「小笹寿し」 港区西麻布1-10-6 03-5770-3488
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