地階への階段が導く行燈、そして木彫りの表札には割烹のような店名「入きん」。
ところがドアを押し開いたその先には、高原ホテルのレストランを思わせる静謐なダイニングが佇んでいました。
ゆったりと配されたテーブルに畏まって、「お昼の、セットメニュー」から目当ての「カレー定食」をお願いしました。
深みのある色合いのさらさらとしたスープ状のカレーにライスを寄せて口に運ぶ。
はぁ~、うまひ。
贅沢な滋味がそのさらさらの中に十二分に満たされているんだ。固めに炊かれたご飯もいい。
浮かんだお肉は、脂の少ない部位にもかかわずスプーンですっと切れてしまいます。
肩ロース、リブロースなどそれぞれ違う部位を使った3片だというから楽しいね。
残ったソースが勿体なくて、バゲットありませんか、と我が侭を云ってしまったら、意を得たりとオーブンで温めたバゲットを添えてくれる。
舐めたようにソースを掬ってしまったお皿がちょっぴり恥ずかしい。
そして、程よい辛さに「ココナッツのシャーベット」の甘さが優しいんだ。
ホスピタリティ溢れるサービスとともに味わう、松坂牛などの厳選されたステーキをメインにしたコース料理がこちらの本懐。夜にまたお邪魔したい。
「入きん」 中央区銀座3-12-19里垣建物B1F 03-5565-0252
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