column/02150
豚清湯系貝汁そば「不如帰」
はまぐり出汁で名を馳せた感のある「不如帰」に寄ってみる。六号通りを進んで、目印(?)のラーメン店から脇の細い路地を覗くと、数人の人影がみつかりました。開店10分前にして8人待ちです。「豚清湯系貝汁そば」と書かれたA看板が出されている。壁に貼られたメニューを見ると、ありゃ、「はまぐりめし」と書かれたであったであろう部分がマジックで消されている。「はまぐりめし」はやめちゃったか、対応し切れないのかもなぁと思いながらさらにその下を見ると、「秋冬限定土曜日曜昼のみ限定十食」、そして「牡蠣そば(味噌)」とある。おりょりょ。う~む。「しょうゆの味玉そば」と「はまぐりめし」と決めていたのに、「はまぐりそば」はないわ、「牡蠣そば」があるわで、困っちゃうじゃんかぁー(笑)。“はまぐりスープや如何に”で立ち寄っているのではあるが、そこまで云うかの限定具合を簡単に袖にできない弱さと、はまぐりスープと牡蠣の滋味がコラボしてたりしたら、それはそれできっと魅力的だよね、ってことで券売機の「限定」ボタンを押すのでした。厨房をみると、カウンター寄りの寸胴に並んで、もうひとつの鍋で湯煎されてる容器がある。あれが、はまぐりスープだな。「気をつけてお持ちください」。ドンブリが渡されました。早速スープをひと口。ん? すっきりしながら滋味あるスープで美味しい。でもはまぐりの風味は探るように探るようにしないと見つからない感じ。そうか、そうだよな。悲しいかな味噌の風味の方が断然強いンだ。牡蠣の身も上品に小ぶりで、2種の貝をフックにしたクロスオーバーは期待した姿ではなかった。いや、旨いんだけど、気分はちょっと複雑ってやつ。スープをしっかり纏わせながらソリッドな食感を残す麺もいいし、サイドオーダーした「肉めし」のチャーシューもさらっと融ける品のいい脂の魅力をみせているし。例によって残したご飯をドンブリに入れて、底までの完食しちゃったし。当初目的を果しに、つまりは「しょうゆの味玉そば」を食べにまた来なくっちゃ。
「不如帰」 渋谷区幡ヶ谷2-47-12 03-3373-4508