5号館「喜久」も、観光地化著しい築地場内「魚がし横丁」にあって、そんな周囲の様子はなんのその、ガラリと引き戸をあければ突如として市場の臨場感に包まれる店の一軒だ。カウンターに並ぶ客たちは、皆が皆如何にも市場関係者。市場時間の夕刻とあって、晩飯を兼ねた晩酌の真っ最中だ。ガハハハと笑う大声に店のオバチャンたちのツッコミが交差している。そんなカウンターの中央へ。秋冬の新メニューとして掲示されている「玉子まぶしラーメン」を横目にしながら、「たんめん」そして「ぎょうざ」をお願いしました。背の低いオバチャンがハキハキと復唱すると、左手のオッチャンがのっそりと鍋を廻し始めます。そんな様子をぼんやりと眺めているところへ、燗酒の追加オーダーが入った。オバチャンは、はいよ~とばかりに鍋の中に掛けてある湯きりカゴへ一合瓶を放り込んだ。あれれ、それってスープ鍋と違うのん?。当然その鍋から掬ったスープで「たんめん」が仕上げられ、やってきたcolumn/01814


