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手打ち蕎麦「ちしま」で 鴨せいろ二枚片口の蕎麦湯しみじみ
凍った雪の残滓に足元を危うくしながら、気になっていた長原駅前の手打ち蕎麦「ちしま」へ。
泳いで汗をかいたあとの禁断の昼ビール(笑)を「アサヒプレミアム生 熟撰」で。
苦味を伴った香りが継続する、よりオトナなビールだ。
蕎麦は、「鴨せいろ」にあらかじめ追いせいろを添えてもらいます。石臼挽きの蕎麦粉による二八だという細打ちの蕎麦は、
きゅきゅっとして喉越しよく、仄かな甘さを含んでいる。
つけ汁はちょっと甘めで、鴨の身や葱にもう少し力強さがあるような仕立てがいいのになぁと思わせるが、澄んだ旨味が伝わって悪くない。
薬味はついてこない。
薬味があっても最近は山葵を使わなくなっているので構わないのだけれど、意図してそうしているのかな、と訊いてみると、「鴨せいろ」に薬味は添えていないと云う。うん、なるほどね。
そうして、二枚のせいろをするすると。蕎麦湯を所望すると、片口がやってきました。
それ用に作っていると思しき蕎麦湯は、少しトロンとして蕎麦粉の粒子が少なからず浮かんでいるもの。
つけ汁に注いでいただくと、これがしみじみと旨くて思わず目を閉じる(笑)。
やっぱり蕎麦湯の印象は、店全体の印象にも影響してしまう。
町場の蕎麦屋の立ち位置からは一歩二歩先んじている蕎麦店がこんなところにできていたなんて。
老舗といわれ歴史に寄りかかっているだけのイケテない有名店がちゃんちゃら可笑しくなったりして。
「ちしま」 大田区上池台1-32-2 2F 03-6425-2232