四条通りから綾小路通りへ向かって高倉通りを下ると、通りの右手に暖簾に大きく「匙」と記したお店が見つかります。
「匙」と書いて「SPOON」と読ませる、和風創作料理店のようなのだけど、折角なら「匙(さじ)」のままでいいのになぁ、などとその前に佇んで想います。
そして、その脇にひとつの行燈が辺りを照らしている。
近づくとそこには、篆書体の印影が浮かんでいて、その下に小さく、”BAR”と書いてある。
はて、なんと読むのでしょう。
壁に立て掛けた黒板の示しに従って、
暗がりの中へと進みます。
高い天井を球体の和風照明が照らす不思議な単廊から更にその奥へと足を進めると、
「お数屋 いしかわ」というおばんざいのお店があり、そのさらに奥にも暖簾が提がっている。
袋小路の一番奥にある古の京町屋。
其処が通りの行燈が示すBAR、その名も「OKU」だ。
一瞬どうしたものか躊躇うも、そのままその群青の暖簾を分ける。
すると、待ち構えていたかのような、ソファへと促がす所作にスムーズにカウンターの隅のひととなれました。
見上げる梁や柱の表情に、なるほど京町屋の風情に包まれた気分を想う。
さてなにをいただこうかな。
バックバーは、カウンターの中央から右側寄りにあって、
左端からは距離がある。
と、目の前に既に「GLENLIVET」のボトルがあるじゃぁないですか。
手に取った一本は、15年モノの”FRENCH OAK RESERVE”。
フランス産のオーク新樽で仕上げたグレンリヴェットだ。
柑橘系の香りとフルーティな甘さとの円さにぴりっとしたアクセントを含む呑み口が愉しいぞ。
もう一杯だけとお願いしたのが、「MURRAY McDAVID LAPHROAIG 1998」。
ボトラーズのマーレイ・マクダヴィッド社によるラフロイグ11年モノ。
ラベルのテイスティング・ノートには、冷却濾過、カラーリングを行わずっていないと記してあって、カシスや柘榴、桑の実、サクランボ、甘草そしてtoast、peat smoke。
カラメル色の琥珀とはちょと違うオレンジ色の滴からは、柔らかにも思う甘いフレーバーのあとからスモークな匂いがぶいんっと襲う。
高級ワインのch.ペトリュスのカスクで後熟している、のだそうです。
なるほど、ね。
四条・高倉通りから覗く暗がりの奥にある京町屋のバー、「OKU」。
ちょっと妖しい袋小路へのアプローチも、居心地のいいカウンターがその奥で待っていると知れば、また一興の愉しさ。
今度は、”京都素材のカクテル”あたりで、京都の隠れ家っぽさを満喫しようかな。
二階ソファ席もあるようです。
口関連記事:
gallery & cafe「OKU」で 木の実がいっぱい秋のパフェの造形美(08年10月)
「OKU」
京都市下京区高倉通四条下ル高材木町221-1
[Map] 075-344-6040
http://www.beppinya.com/bar_oku/
column/03068
お邪魔しまーす♪
こりゃまたなかなか趣きあるBARですね!
しかも知らないと見つけにくそうな,,,(笑
私もモルトには目がないんですが,特にラフロイグは大好物♪
このボトラーズも気になるけど,次に京都に行くのはいつになることやら?!
あー,,,京都行きたいw
京都独特の雰囲気と素晴らしい品ぞろえ!
見た目には入りにくそうですが、実際はどうなのでしょうか?
どうしても京都の各地で入りにくいと思いがちなのは、間違った先入観のイメージなのでしょうね・・・。
ウイスキーの品ぞろえも豊富で、良い感じですね!!
Re:プロ・ビーラーさま
京町屋の飲食店は結構あるけど、こんな奥まったところにあるバーは、それなりに珍しいでしょうねー。
通りの行燈で判ると思います。
ボトラーズものは、フィニッシュのいろいろも面白いですよね。
バー巡りも一興の京都へぜひ♪
Re:seppさま
上手に仕立てた京町家のお店は、ズルいです(笑)。
もうそれだけで、すーっと雰囲気に包まれてしまいます。
バーだと分かれば何故だか割とすんなり入れますが、割烹の暖簾となるとお代のハードルが高くって、なかなか…(笑)。
客を選ぶ仕組みがないといえばウソになる、ってことでもあるようです。