column/02918 @730-
中華そば「麺屋○竹」で 名物中華そば魚出汁深い旨みと完成度
ずっと気になっていた、
丸太町の中華そば店「麺屋○竹」。
早い夕方に訪れても、売り切れ仕舞いを知るに留まること幾度か。
確か、魚介系スープが世間に広く伝播するに前後してのことだったと思うので、随分永い間の課題店だったことになる。
行列を作ることも少なくないらしかったけど、今は流石に落ち着いてきているのでしょうか。
昼下がりの竹屋町通りを辿り、お邪魔しました。
カウンターの一番奥に腰掛けると、オープンキッチンの正面に羽釜がでんでんと2器、据えてある。
「玉子かけご飯定食」や「焼豚まぶし定食」などは、この羽釜で炊いたご飯をいただけるんでしょね。
お品書きには「中華そば」に「背脂醤油」「つけそば」「味噌そば」が並ぶ。
デフォルトに思う、「名物 中華そば」の並をいただきましょう。
キッチンから「ボーー!」と聞こえてくるのは、チャーシューを炙っているバーナーの音。
捧げるようにして、ドンブリが届きました。
キャプションを差し込むように立て掛けた海苔一葉には、
「京都 名物 魚出し 麺屋○竹」の白い文字。「なんでんかんでん」で見るプリント海苔と同系の技術なんだろね。
およそ澄んだスープには、揚げ葱と刻み九条葱が浮かび、脂は少ない。
まずはと啜った蓮華のスープは、じっくりと深い旨みが濁りなく満ちていて、膨らんだ期待通りの味わいだ。
ダクダクと乱暴に沸かして煮出したら、こんなスープにはならないに違いない。
海産物の出汁スープを動物系のスープが下支えする、その按配がいい。
二つ折りのショップカードには、京都産の生醤油や沖縄産の海水塩などをブレンドして使っているとある。
エッジが利いて熟成した粉の風味がサクサクと味わえる麺も好みのタイプだ。
ふとお店の奥をみると、そこにはもうひとつの暖簾があって、頭上に「○竹庵」とする木看板が掲げてある。
「麺屋○竹」はその奥に和食処を設けていて、「地魚定食」「海老ふらい定食」「天ぷら定食」といった定食を始めとする魚料理も提供しているらしい。
羽釜のご飯は「○竹庵」のためでもあったのだね。
ラーメン好きが高じて、創作志向の海鮮中国料理の店からラーメン店に転身したという「麺屋○竹」。ラーメンマニア×中華料理人が奇を衒うことなく仕立てたラーメンに、完成度への感心と満足とを思いつつ戻る、竹屋町通りでありました。
「麺屋○竹」
京都市中京区竹屋町通堺町西入ル和久屋町101番地 [Map] 075-213-1567