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とうふ料理「豆水楼」で おぼろ湯豆腐湯葉か豆腐か豆乳か
以前、東大路通りを八坂神社方向へ歩いていた時。
通りの向かい側で何気なく目に留めた光景が脳裏の隅っこに残っていました。
その白い暖簾には遠目にもはっきりと「豆水楼」と読める文字。
湯豆腐をはじめとする豆腐料理のお店だと知り、
いつか機会があればなぁと。靴を脱いで上がり、飴色に映るカウンターの奥へ。
「東山」と名付けた、お安い方のコースをいただくこととします。
まずは、「南京豆腐のアボガドソースがけ」。
ここでいう南京とは南瓜のことかな。
創作っぽさが気に掛かるところですが、違和感はありません。
太刀魚とヨコワ、蛸のお造りは、びっしりと敷き詰めた、細かなクラッシュアイスの上に盛り付けられています。
焼き印の蓋でを開けると顔を出すのが、
串に炙った田楽。焼き立ての味噌の風味が水を切った豆腐に寄り添う。
合わせて添えられた色とりどりの酒肴たちで八寸という構成か。
そして、特製なのだろうなとお見受けする楕円の桶で温めた「おぼろ湯豆腐」。
沸騰しないよう電熱で温度管理をしているそうで、タレ注しも同じ湯殿で温めてあります。
たまりのような濃い口の出汁醤油にお豆腐を浸して、いただく。
細いお箸が豆腐を千切ってしまう前にと口を近づけて、はふっとね。
うん、まぁ、普通に美味しいけれど、特別醍醐味のある感じではない。
すると、向かいに立つ兄さんが「こちら、塩で試してみてください」とふた切れほどのお豆腐を手元から汲んでくれた。
うん、塩でいく方が風味の伝わるけれど……。
ふと、石垣のさとうきび畑の真ん中で早朝にいただいた「ゆしどうふ」の味わいを思い出す。
出来立て豆腐と比べちゃいけないか(笑)。
折角なのでと、豆水楼オリジナルカクテル「豆乳カクテル」をお願いしてみた。
「シロップが甘いですよ」と聞いていたほど甘くはないものの、一連のお皿にはいまひとつ合わないや(笑)。
と、続いて「もろこし豆腐の湯葉あんかけ」。
玉蜀黍の風味がほんのりとして、あんかけの味付けも塩梅のいい。
この流れでいくと次はなんだろうと思い始めたところに「太刀魚の湯葉包み揚げ」。
そうか、豆腐づくしの料理となると、豆腐か湯葉か豆乳かになっちゃうものね。
お食事は、「豆御飯」に赤出汁のお椀。
大豆も含んで炊いているところが、一貫したこだわりと云えましょうか。
デザートも然りの、「ブルーベリーと豆乳のシャーベット」だ。
築130年になるという古い建物を改装して営む「豆水楼」祇園店。奥には今は客間として使っている蔵があり、元々は呉服屋だったと聞くと、なるほど往時の光景が彷彿とします。
口関連記事:手作り50年「とうふの比嘉」で さとうびき畑と作り立てゆしどうふ(07年09月)
「豆水楼」祇園店 京都市東山区東大路通松原上ル4丁目毘沙門町38番地の1 [Map]
075-561-0035 http://www.tousuiro.com/