池袋二又交番前と名付けられた信号を左に進むとそこは、立教大学のキャンパス前。
いつぞや、公的試験の試験会場になっていて訪れた立教のキャンパスは、都心にありながら緑豊かで、ミッションスクールの雰囲気が所々に感じられてなかなか素敵な大学構内だった。
思わず芝生でフォークギターを奏で始めたい感じの(笑)。
授業が終わる度に街中のビルからビルへと教室を渡り歩かなければならなかった自分にとっては実に羨ましい環境なのでありました。
そんな立教の前をそのまま通り過ぎ、
首都高の中央環状線の開通により、
妙に広くなった山手通りに立教通りがぶち当たるちょっと手前。そこに、時には行列をつくる中華そば店があるのです。
券売機でぽちっとしたチケットをお兄さんに渡して、
L字のカウンターにゆっくりと佇む。綺麗に並び揃えられた蓮華に几帳面な所作を思います。
まずはおひるメニューの筆頭、
「中華そば」中盛りに「特製トッピング」を加えたどんぶりを迎えます。決して奇を衒わない、ゆったりとコク深いスープに感心。
そして、粉の旨味を思わせる加水の低い麺がよく似合う。
何気なくも完成度の高い一杯と云えましょう。
おひるメニューのもうひとつが、
「煮干しそば」。中華そば同様、並盛り180g、中盛り250g、
大盛り320gと明記されている。
意外だったのは、澄んだスープの中華そばに対して、
脂と刻み玉葱とを浮かべた表情であったこと。
煮干しの旨味と香りを基軸にしつつも、
しっかりとしたボディのスープになっている。
うん、こっちも中々の出来栄えだ。
今度は夕闇迫る頃。
最寄りの要町駅からではなくて、
西武線の椎名町駅からアプローチ。
チケットを渡してから厨房をなんとなく眺めると、
目の前に何故だか栗駒特産のなめこの空き缶がある。なめこのトッピング、といったフレーズは、
メニューには見当たらない。
賄いに使っているのかな、
なんてそんなことを考えながら受け取ったドンブリからは、
麗しき匂いが立ち昇ってくる。
比内地鶏を主体としたというスープ。円やかな醤油で整えた海に、
そっとその身を委ねるように横たえた麺は、
スープを抱えるように馴染む一方で、
歯触りと滑らかさとを熟成した粉の滋味をはっきりと主張する。
ゴロッとした鶏の身の下を崩すと、
ちょっとしたとろみと一緒になめこが顔を出す。
成る程、なめこは夜の部のメニュー、
「稲庭中華そば」に用いられていたのですね。
立教通りのずっと先、
山手通り近くに中華そば「しながわ」はある。品川にあるから品川と名付けた訳ではないとすると、
どなたかの姓名を由来としているのでありましょう。
池袋と目白と椎名町との中間にあるつけ麺・中華そばの店、
「BASSOドリルマン」の2号店であるようです。
「しながわ」
豊島区西池袋4-19-14 [Map] 03-5926-6178