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中華そば「一刻屋」で 美味健食中華そば玉葱スープの甘み風味
鶴舞公園から高速環状線の下を辿り、だーだー汗を掻きながら歩いて訪れたあるお店。
ところがその店の前には空席待ちの群。
こりゃあかんと潔く踵を返し、再び汗をだーだー流しながら戻った鶴舞駅。
ふと見た駅舎並びの交番の脇に、「中華そば」の看板を見つけました。
なんだかまるで、その交番に併設されているかのようなロケーション。
すーっと近づくと、どうやらお巡りさんが調理してくれるラーメン屋、ってことではないのが判る(笑)。
店頭の左手の壁にペタペタと貼られた品書きには、「中華そば」「味噌そば」「辛味噌そば」。
並んである「台湾そば」は、「味仙」あたりに代表される「台湾ラーメン」の系統なのかなぁと考えながら、でもこの酷暑の中だしぃー、と呟きながら藍色の暖簾を潜る。
店内に入った途端、醤油のやや焦げたようなどこか甘いような匂いが鼻先を過ぎった。と、なぜか指先は券売機の「中華そば」「熟味付玉子」のボタンを押していました。汗掻いているのにね。
たまりにも思える醤油色がまず視線を奪うドンブリ。啜るスープは、どこかとろんとした表情を一瞬みせてからすっきりとしたまろみの余韻。その余韻の中には、野菜由来の甘みが不思議な魅力を発揮しています。
その甘みの正体は、どうやら玉葱らしい。そう聞くと、ものすごくイメージと一致する。
なんだか、いいなぁ。甘みに厭味がなくってしつこくなくって、でも澄んだコクがあって。
垂らす特製のえび油も利いている。
こんな風味は初体験だ。
そのスープに収めた麺もやってくれている。目一杯縮れたやや幅広の平打ち麺が、玉葱スープをしっかり纏って、勢いよく啜れば、あちこち汁が飛ぶ(笑)。眼鏡に飛んだ滴も拭わず食べてる自分がちょっと可笑しい。
「高山ラーメン」の系統とも云われるようなのだけど、そう括っていいのかな。
店頭右側の木札には、「秘伝 超熟成 健康玉ねぎスープ」、そして「無添加無着色健康麺」とある。
「美味健食」をテーマに掲げる中華そば「一刻屋」。無化調でもイケるラーメンがここにもありました。
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「一刻屋」 名古屋市中区千代田5-24-1 052-252-2299