金閣寺へと至るバスに乗り込んで、
降り立ったのが佛教大学の近くの千本北大路。
郊外の静かな町並みの中に既製の赤い暖簾を掲げているラーメン店がありました。
ラーメン「タンポポ」。
故伊丹監督の映画に連想が飛びますが、なにか縁があるのでしょうか。
黄色い看板に記された「味にちょっと自信あり」の奥ゆかしさに反って期待が持たれます。
メニューは、「ラーメン」「チャーシューメン」に「豚しゃぶラーメン」がメインコンテンツ。
サイドメニューの「チャーシュー丼」「焼めし」も気になります。
「ラーメン」の下には、唐辛子がかかっているので苦手なひとは云って欲しい、とする貼り紙がある。「ラーメン」に「焼めし」を添えてもらうことにしました。
警告(笑)にあったように、スープやトッピング全体に赤い粉が塗されていて、食欲を誘います。
茶色く濁ったスープそのものは横浜家系のような見栄えにも映りますが、
意外や脂少なく、あっさりとした中に乳化を思わすコク味を含んでいて、そこへキュッとした辛みが全貌をキレのいい印象に仕立て上げている。うん、うんまい。
麺はやっぱり細めで、ここに背脂をグイっと使うと「ますたに」になるって感じだ。
そうだ、どんぶりの底に辛味を潜ませる「ますたに」とあっけらかんと赤味を振る「タンポポ」との対比が面白いね。
目の前で炒めているものだから、勢い注文んでしまった「焼めし」も、
パラパラとくどさのない仕上げで、すっと平らげてしまう軽快さがある。
こちらもまた、京都ラーメンのアイデンティティを気張らず備えた、
近所に欲しい一軒です。
「タンポポ」 京都市北区紫野西蓮台野町57UKハイム1F 075-493-8594
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