この感じはきっと隅田川沿いは気持ちのいい感じになっているぞと思い付く。
八重洲通りから中央大橋方向へとほんの少し急くような心持ちで足を運びます。
中央大橋の袂から住友ツインビルの裏手に回り込むようにすると、隅田川の護岸にはほぼ満開の桜の木々が並んでいました。
土手を歩けば、想像以上の心地よさ。枝を伸ばした桜が活き生きとし、そこへ川面からのゆっくりとした風が流れてきます。
暖かな陽光に照らされて仄かなピンク色をよりはっきりと発色させている花弁たち。その先には永代橋のアーチを臨む。
永代橋脇の「MILE POST CAFE」もきっと、気持ちのいいテラスになっていることでしょう。
土手沿いの道が永代橋に近づく辺りにあるのが、新川公園。早速シートを広げて、お花見ランチと洒落込む女子たちの姿に、それもいいなぁと朗らかな気分になる。
新川公園には「新川之跡」と刻んだ碑があって、その脇に解説文がある。
界隈の地名にもなっている新川という川は、今の霊岸橋の少し下流の「串ハ珍」のある辺りから亀島川を分岐して、日本橋川に平行して進んで隅田川に合流する運河であったという。
新川の運河は、河村瑞賢(ずいけん)という豪商が、諸国から船で江戸へと運ばれる物資の陸揚げの便宜を図るために、万治3年(1660年)に開削したもののようで、河岸には酒問屋の酒蔵が建ち並んでいたらしい。
新川が埋め立てられたのは、昭和23年のことであるという。
新川地区にもきちんとその名の由緒があったのですね。
そんなほのぼのした公園の向こうになにやら行列が覗ける。ちょっくらその行列に混じってみましょう。
カウンターの隅に届けられたのは、中盛り330gの麺とつけ汁の椀。そして、この日のサービスメニューであった「特製全部盛り」の小皿だ。
あつ盛りでお願いしていた麺から湯気が立つ。かん水由来っぽいクリーム色を帯びた太ストレート麺はきっと、自家製でありましょう。
醤油のつけ汁はシンプルな仕立てで、動物系はほどほど濃度。さらっと酸味を利かせているものの、どちらかというと麺の量感が勝る感じだ。
「特製全部盛り」には意外や、水餃子がふたつ盛られてる。細かいことは気にせず、威勢のよさでぐいぐい喰わせるタイプであることが、このお皿でもよく判ります(笑)。
散り際も潔く、もうすっかり葉桜となった新川公園の桜を眺めてから、ふたたび行列の中に紛れ込む。
チケットの応対をしてくれている髭面の兄ちゃんが店長らしく、手にしたばかりの「辛味胡麻つけ麺」のチケットを”冷や”でと手渡します。
ぐるぐるっと辛味を混ぜ回してから麺を投入する胡麻のつけ汁。辛さは程よいものの、イケテる担々麺に思うような胡麻の風味や濃密さとはベクトルが違っていて、なんだか少々物足りない気分も過ぎります。
ま、いっか(笑)。
隅田川沿い、永代橋近くの雑居ビル裏手につけ麺の「隅田」がある。大盛りのつけ麺を兎に角がっつり啜りたい諸兄に特におススメ。
なんと2,000gもあるという「隅田盛り」なる超大盛りもあるようです。
「隅田」新川店
中央区新川1-31-4 Amiwa ビル1F [Map] 03-5540-9711
http://tsukemen-sumida.com/