
いつの春のことだったかな。
渋谷駅から246を歩道橋で渡った桜丘町。
急坂を登るは、通称さくら通り。
時季ともなれば、坂の両側の桜並木が咲き乱れ、
薄ピンク色の花弁舞う景色を魅せてくれる。
その情景を「Risotto Curry Standad」三階の、
額縁のような窓から眺めたことを思い出す。
その時、二軒目にと向かったのが、
桜丘の有名立ち飲み処「富士屋本店」でした。
季節は巡って、秋の夕闇迫る頃。
さくら通りを上がり切った処にある「大和田さくらホール」で催される、
還暦オーバーデュオBread&Butterのコンサートの前に。

ちょと一杯と寄り道しました。
階段の降り口に近づけば、
地階からのほんわりした喧騒の気配が伝わってくる。

既に5分の入りの”ロの字”のカウンターは、
混み合うピークへのアイドリング中でありました。
入って左手の角辺りに陣取って、ホッピーを貰う。

此処では、下町御用達の「亀甲宮」ではなくて、
「宝焼酎」25度の2合瓶だ。
左手の壁には、訪れたであろう著名人のサインがズラっと並んでる。

類さんのサインの隣には、亡くなった大滝秀治の色紙が三枚。
「もう駄目だと思ったり、まだやれると思ったり」。
そしてその下に負けじとズラズラっと品札が並びます。
彼方此方に木札や短冊の品書きが貼ってあって、黒板メニューもあるので、
必然的にキョロキョロと挙動不審になります(笑)。
階段を降りた正面ではドアが開けたまんまになっていて、
そのドアの内側もびっしり品札が貼ってあるんだ。
「ハムキャ別」あたりも口開きにお似合いなのだけど、
触手が動いたのは、「ハムカツ」。

注文と同時に年嵩のお兄さんが早速、フライヤーに流し込んでくれたヤツ。
揚げ立て熱々ってのが、なによりのご馳走でありますね。
あればどうしても反射的に注文してしまうのが、「〆サバ」。

フレッシュな〆鯖が勿論ビビッドに美味しいけれど、
こうして酢〆がすっかり馴染んだヤツもオツなものです。
二杯目を作ったらお兄さんが氷をたんまり入れてくれた。

こうなるとちょっと呑み難いのだけど、まぁいっか(笑)。
鰯はフライか天麩羅か。
そんなことを考えていた矢先に目に留まったのが「新さんまの煮付け」。

塩焼きも勿論いいけれど、生姜風味で煮付けた秋刀魚も季節の恵み。
佳いではありませんか。
時折ややジャンクなヤツも挟みたくなり「スパゲティサラダ」。

なんの変哲もないけれど、立ち呑みには必要なアイテムですね。
やっぱり貰っておこうと「いわしのフライ」。

中羽鰯くらいのサイズはあるでしょか。
鰯特有の香り高く、食べ応え充分です。
2合の焼酎呑み切れずに時間切れ。
でもお腹くちくなって、しっかりほろ酔い。
ホールの暗がりで寝てしまわないか心配だ(笑)。
云わずと知れた渋谷・桜丘の大衆立呑酒場「富士屋本店」。

其処いらのぽっと出のカウンターと違って、
ただ呑気に呑んでるひとさえも、
どこか一端(いっぱし)の風格ある呑兵衛にしてくれる度量がある感じ。
平日21時半までとだらだら深夜まで営らない潔さもいい。
さくら通り中ほどにある「富士屋本店ダイニングバー」にも寄り道したいな。

そうそう、大和田ホールでのブレバタのコンサートは、
なんとデビュー45周年を記念するもの。
村っちゃんが「一緒にはハモれない(笑)」という、
兄弟による独特のハーモニーは健在なり。
弟の二弓さんのシャイな感じが意外でありました。
口 関連記事:
BAL「RISOTTOCURRY standard」で ワイン越しの額に桜の借景(13年04月)
「富士屋本店」
渋谷区桜丘町2-3 富士商事ビルB1F [Map] 03-3461-2128
column/03478