
看板建築を想起させる、宮川食鳥鶏卵の建物。
硝子越しに鶏を捌く様子を横目にしながら、
築地警察署方向へと進むと左手に、
ご存知「魚竹」の暖簾とメニュースタンドが見えてくる。
その向かいには食堂「中村家」の渋い佇まい。
その先左手には、水炊き「新三浦」の築地本店だ。
いつ頃オープンしたのでしょう、
「新三浦」の丁度向かいに”東京チャイニーズ”と冠したお店が目に留まりました。
なにやら美味しいものがいただけそうな、そんな予感がいたします。
ゆったりした奥行きのカウンターからは、
厨房丸見えのオープンキッチン。



小ざっぱりとして、機能的な厨房とお見受けします。

午市菜譜(お昼の献立)は、
三種類の主題に週替わりの前菜、副菜、お菓子が付くというもの。
或る日の前菜は、「押し豆腐と野菜のサラダ」。

麺状に糸切りしたような押し豆腐は、
よくみる、やや平たい絲豆腐とちょっと違って、
軽やかな手打ちパスタのようだ。
副菜には、「海老のスープワンタン」。

ハフホフといただく雲呑のつるっとした皮の中から、
海老のあんの旨味がジュジュンと弾けます。
炎天に焦がされたお昼には、
店の名を冠した「一凜 よだれ鶏冷麺」を。

やっぱり紅い海に浮かぶ麺と蒸し鶏、香菜の彩り。
トッピングには、香菜ととにも砕いたアーモンドも。
鶏の一片と一緒に麺を紅いタレに絡ませて、ゆっくりと啜ります。


激辛でありませんように!という願いは、一瞬の裡に雲散霧消して、
体験したのは、すっきりと澄んでいながら妖艶な旨味を含んだ辛さ。
フレッシュさを思う辣油と黒酢や醤油を絶妙な配合で調えている感じ。
涼しい辛さが冷たく〆た麺にもよく絡んで、実に美味いのであります。
口水鶏とは、よく云ったものでありますね。
涼しい日には、「ズワイガニの焼きめし」。


パラパラ具合は勿論のこと、甘さに転じるような塩加減が心地よい。
その甘さは、ズワイガニのそれと仲がよい。
卓上の硝子壺に入ったピクルスもいい合いの手となる。
贅沢な焼き飯をいただいてしまいました。
水菓子には、例えば「紅茶プリン」。
アールグレイ調の紅茶風味がしっかりといたします。
築地警察署近くの開放感ある路面店、東京チャイニーズ「一凜(いちりん)」。

カウンター越しに眺める、調理をしている姿は所作に無駄がなく、
その表情は、調理を楽しんでいるようで、何気に凛としてみえる瞬間もある。
夜の部はコース料理一本らしい。
カウンターに腰を据えて、臨場感あるキッチンの様子と共に楽しむのもきっと、
一興に違いありません。
口 関連記事:
季節料理「魚竹」 でかき酢かきぞうすい夜もいいね(2006年11月)
食堂「中村家」 でぷりふっくらカキのオイル焼き町の食卓(2008年03月)
「一凜」
中央区築地1-5-8 樋泉ビル1階 03-3542-6663
http://www.whaves.co.jp/ichirin/
column/03434