それはまだ、駅前の「甚五郎」本店が閉店する前の5月下旬のこと。 たまたま本店の臨時休業にぶつかって、それならばと2号店へと向かいました。
突き当たりに如何にも甚五郎な懐かしのホーロー看板。手作り感たっぷりなファサードが存在感を示しています。
お願いしたのは、「合盛り3麺」を「肉汁」で。本店を閉め、「国分寺甚五郎」に統合して営業を再開するまでは、 そば、うどん、そして中華麺を提供していて、 その3種類の麺の合い盛りが注文できたのです。
「鴨汁」や「ラムづけ」も気になりつつも、やっぱり選んでしまった「肉汁」の湯気。豚の脂が甘く誘います。
そこへとっぷりと投入するのは、まずはやっぱり手打ちのうどんから。 武蔵野地粉うどん農林61号100%と店先の幟が知らせてる。 なんら遜色のない武蔵野うどんで御座います。対して、蕎麦は歯触りしっかりの挽きぐるみ田舎風。 中華麺はというと、期待が過ぎたのか、割と凡庸な印象拭えず(笑)。 営業再開後には、廃盤となっています。
ふたたび国分寺を訪れたのは、9月初旬のこと。 嘗ての「甚五郎」本店の前を通ると、 ネットフェンス越しに解体された木材の山がみえた。とうとうぶっ壊してしまったのですね。
暖簾の奥のテーブルの一辺に腰掛けて、今来た道を眺める。お向かいさんの炭火焼「いっぱいやっぺ」も気なります(笑)。
あれこれ悩んで、ご注文は結局「肉づけうどん」。具増し(肉増し)でお願いしたつけ汁には、くたっと甘い葱もたっぷり。
湯掻き立て〆立てのつるっとした口触りと確かな地粉の香り。「本店」で味わったと同じ、熟練の武蔵野うどんだ。
再開発の準備が進む国分寺駅北口に統合移転した「国分寺甚五郎」。やっぱり、「鴨汁」や「ラムづけ」も気になるところ。 冬場には、温かいどんぶりも恋しいところ。 そして今はもう、「中華そば」の文字が看板から消えています。
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「国分寺甚五郎」 国分寺市本町3-12-2 [Map] 042-325-6916
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